2012/06/21/Thu
Kayo
秘密にしていたけど、実は私、ミルキィホームズが大好きなんだ。
Nadja
ふうん。そう。驚きね。Quelle ne fut pas ma surprise !って奴ね。
Kayo
……。
Nadja
……。
Kayo
……なんか冷たくない?
Nadja
どういう反応を期待してたのよ……?
Kayo
さておき! ……ミルキィホームズの漫画の感想だけど、これはアニメじゃなくてゲームが基なのかな、なんだかえろかった。
Nadja
それで?
Kayo
もっと百合百合にしてくれると私がうれしいかも。
Nadja
それだけ?
Kayo
……。
Nadja
……。
Kayo
私にどんな反応を期待しているっていうのかー!!
Nadja
知らないってば……。Quand l'amour veut parler, la raison doit se taire.よ。愛が語ろうとするとき、理性は沈黙すべきだって奴ね。
Kayo
……ところで、風上プラトンパンチっていうのを考えたんだけど。これはある作品から霊感の受けた技で、ある天候のときのみに使えるという必殺の……
Nadja
みなまでいわなくていいから。……大体、何年プラトンパンチっていっているのよ。進歩というもの考えなきゃいけないんじゃないかしら。
Kayo
何年だと思う?
Nadja
……六年、かしら。
Kayo
今年で七年目です。
Nadja
うわ。
Kayo
うわ、って何か。現実を見なきゃ!
Nadja
ぞっとしない感じね。……しかし、いつもにましてだらけたエントリになってしまったけど。
Kayo
ミルキィホームズの話をしよう! ……この漫画を読んでいると、シャロってリーダーって感じはあまりしないかな、って思う。もともとシャロってそんなだけど、アニメと比較してネロがしっかりしてる分、彼女がずいぶん頼りになるように感じる。
Nadja
ネロがリーダーでもいい雰囲気よね。というか、実質的にそうなんでしょうけど。
Kayo
ネロはかわいい。かわいいからリーダー。Parfait !
Nadja
ほかの三人はどうなのよ。
Kayo
シャロもエリーもいうまでなくかわいいよ。コーデリアさんは天使です。紛うことなき美少女。天使って素敵!
Nadja
もうちょっと突っ込んで意見すると?
Kayo
シャロはけっこう性格が暗い。根暗じゃないけど、いろいろなことにコンプレックスがある。たぶんだから彼女がリーダーなんじゃないかな。アニメでは一期でそこがていねいに描写されていた。ネロは孤独の人。猫と公園で暮らしていたってへんてこな設定があるくらいで、彼女にはあまり寂しいという感情がないように見える。でもそんな彼女がミルキィホームズという仲間と、そして教官という存在を得て、少しずついい方向に変わっていくのがドラマだと思う。アニメではなんか明後日の方向に変わっているけど。そしてエリーはエゴイスト。自分のことしか見えていない。盲目の彼女の手を引っ張ることを考えるのが物語としておもしろいと思う。でもとても難しいと思う。天使のコーデリアさんは、実はいろいろなことに自信がない人。頼りにされる人になりたいって本人は思っているけど、でも本当はだれかを頼りにしたいと考えている。でもそういうだれかが現れるなんてありえない。だからコーデリアさんはがんばる。コーデリアさんはやっぱり天使なのです。
Nadja
はてさて。なんかやたら長いエントリになってしまった感じだけど。これ以上長くするのもなんだから、終わりましょう。
刻田門大「探偵オペラ ミルキィホームズ2」
2012/06/19/Tue
Kayo
キルミーベイベーを日本に置いてきたのは失敗だった、と、以前いったことがあったけど、この4巻のすばらしさを見れば、私の発言は決して誇張ではなかったことが理解されようというものです。キルミーベイベー素敵、やすなかわいい、やすなはすばらしい。
Nadja
ま、キルミーベイベーまで持っていく余裕なんてなかったでしょうけど。
Kayo
そうだね、出発するときも荷物が重量をオーバーしていて、何か荷物抜けこのくず!っていわれたものね。そして泣く泣く研究書と辞書を引き抜いて、手に持ったまま空港をうろついて、新しくかばんを買って、急いで詰め込んだんだもんね。
Nadja
ひだまりスケッチとゆるゆりを持っていかなかったら、まだ余裕があったかもしれなかったでしょうけど。
Kayo
なんで、ひだまりスケッチとゆるゆりを持っていったんだろう? と思ったら、去年の八月がちょうど発売日だったからかー。異国で孤独に苦しむ私を慰めたのがひだまりとゆるゆりだっただなんてー。
Nadja
あら、孤独だったの?
Kayo
あんまり。
Nadja
はてさて。
Kayo
あ、思い出した。日常のコミックスをぜんぶ持っていったのも私のキャリーケースを圧迫する大きな要因になっていたんだ! そしてフランスから日本へ荷物を送るとき、これもまた重量制限のためにいくつかの本を捨てなきゃならなくなった原因は、日常のコミックスを優先的に送るためだったんだ!
Nadja
そんなに日常の優先順位は高いの?
Kayo
秘密にしていたけど、私は日常が大好きなんです。上記に挙げた理由からも、いかに私が日常を愛しているかが皆さんに伝わっているはずです。
Nadja
はてさて。……ところで、キルミーベイベーの感想はどうなったのかしら?
Kayo
やすなが本当にかわいいと思う。私、あぎりさんも好きだよ。とても好き。
Nadja
じゃ、このエントリはおしまいということで。
カヅホ「キルミーベイベー」4巻
2012/06/18/Mon
Kayo
残っていたユーロを円に両替したら五千円ちょっとになったんだけど、三時間後にはぜんぶ漫画に変わっていた。
Nadja
絶好調ね。
Kayo
日本に戻ったのでまた対話形式のエントリを再開しよう! ……ということで、まず最初はスケッチブックの感想をします。私はね、秘密にしていたけど、スケッチブックが大好きなんだ。とくに空と夏海が好きなのです。この巻は空と夏海が仲よくて楽しかった。出番がないとかでうだうだいっている二人がすばらしいと私は思うのです。Très bien !
Nadja
出番がないというか、単純にキャラが多いんでしょうけど、この作品の場合。でもコミックスでまとまったのを読んでみると、どの登場人物もそれなりに均等に出番があるようにうかがえて、その点はちょっと驚きかしら。各キャラの個性もしっかり区別されているし。
Kayo
空のクラスメートはまだちょっとよくわかんないけど。
Nadja
それは、ま、しかたないでしょうけど。
Kayo
たまにケイトが美少女な格好をするので驚く。でもアニメの初登場のときもやたら美少女なワンピースをケイトは颯爽と着こなしていたりするので、彼女はやっぱりネタキャラのくせにかわいいなって私は思う。
Nadja
ネタキャラいわないでくれないかしら。
Kayo
ケイトにそっけない夏海が素敵! でも空にはそっけなくないんだよね。……そこから始まる微妙な三角関係を想像するのが、帰国した私の務めなのです。
Nadja
二次創作でもしたら?
Kayo
スケッチブックの二次創作は私ずっと考えているんだけど! 本当! 2007年のころからずっと考えている! でも私、九州の方言がよくわからないからそのたびに挫折してるの! Misère ! あ、二次創作といったらパチュリーの続きも書かなきゃ! 実は飛行機のなかで書こうと思ってノートを持ち込んでいたんだけど、心の底から面倒になって寝てただなんて、恥ずかしくてだれにもいえない!
Nadja
はてさて。じゃ、エントリ終わりましょう。
小箱とたん「スケッチブック」8巻
2011/07/25/Mon
「ヘルベチカスタンダードがすごく素敵ですごく感動。‥これはもう、なんだかとてもイナフです。たとえば、ほら、ゆっこがみおちゃんの‥を、口に含んで、二人向き合って、赤面しあっちゃってるし(本当)、なのが「はかせなんかなんとも思ってないんですから」ってツンデレなのをやってるし(ときめき)、とにかくはかせとなのが仲よくてかわいくてなんだか眩しくてうれしくて涙が出てくるほどだし(真理)、ゆっこの手料理を食べてみおちゃんは涙を流してるし(愛)、ゆっこの前で泣いちゃうはかせのためにがんばるゆっこ本当にエンジェルだし(天使)、とにかくもう、すごくよかった。すごくよかった! 感動した!!」
「ま、はてさて、この独特の筆致というか、雰囲気は、たしかに癖になる居心地のよさがあるといえるかもしれないかしらね。まったりしているなかに、なんともいえないキレがある。笑いのエスプリが至るところに散りばめられていて、それだけでも楽しいし、またとにかく「日常」という作品が作り出す温かな様子、和やかな空間ともいったものが、言葉にできない魅力を生み出しているのでしょう。いやはや、はまってしまったものね、この世界に。」
「すばらしきかな。‥ところで、ここから別の話題をしたいかなって思うんだけど、さいきんは主にヴァレリー・ラルボーを読んでいて、その作品のひとつに、コレージュを舞台にしたものがある。そのなかの登場人物のひとりが優等生で、絵に描いたようながり勉の秀才なんだけど、彼はある少女に恋をして、途端に勉学に対するやる気を失うっていう、お定まりな展開があって、そこでふと私は笑っちゃった。‥でも、といっても、優等生が色恋沙汰でだめになるってケースは、見つけるのに困らないほどよくある話で、かくいう私も、けっこう目撃してる。こういうことには案外、人生の秘密が隠されていることかもしれない。」
「これって難しい話よね。優秀な人や能力のある人というのはあるけれど、しかし中学校で優秀だった人が高校で優秀だとは限らないし、高校で優秀だった人が大学で優秀とも限らないし、またその上も然り。さらには能力があるけど目的意識がないよりは、とりあえず目的意識があったほうがなんとかなるといえるのかもしれないし、その目的意識が執念の段階までなってしまっていると、これはもう優秀だとか能力の問題ではなくなってしまう。‥すると、優秀というのはどういったことなのか、はてさて、考えてしまうかしら。」
「恋人ができて云々というのも、きっかけのひとつに過ぎないのかもしれない。成績というのは相対的な評価だけれど、でもその人の価値というか意義というかが問われるのは、最終的には、個人の内面における問題に帰着するのかもしれない。その意味で、他者はあまり参考にならない。他者と己の間には、もしかしたら、宇宙以上に長い懸隔があるのかもしれない。サルトルはそれを「壁」で表し、カミュはムルソーの叫びで示した‥とかいいだすと、話が明後日の方向にいくので、このエントリはここでおしまい。」
「ラルボーって日本ではあまり知られていない作家かしら。邦訳もどれだけあるか、ちょっとチェックしていないのよね。おもしろい作家だと思うし、青春を躍動的に、また精神的に描く様はすばらしいものがあると思うから、知られていないのだとしたら、もったいない気もする。ま、今度、日本語訳についてはよく調べてみることにしましょうか。」
あらゐけいいち「Helvetica Standard」
2011/06/21/Tue
「ノスタルジアドライブ!」
「‥」
「‥気づかれてるかな。私がノスタルジアドライブと叫ぶたびに、世界線が微量に変動していることに。」
「‥気に入ったの、ノスタルジアなんたらっての?」
「でも私にはイデア界から授かったConsiderate lilia agri quomodo crescunt, non laborant neque nentがあるので、世界線を越えても記憶を保っていられるのです。」
「野の百合がいかにして育つかを思え。働かず、紡ぐことなし‥だったかしらね。はてさてラテン語ね。」
「ラテン語よくわかんないけど! 日本語がいちばん得意です!」
「はてさてね。」
「‥さておき! ‥と、張り切ってみたはいいけど、話すことがない。これ、これだ、これだよ。ブログを毎日書く弊害。すなわち、ネタがなくなる。ネタがなくなるとだらだらとよくわからないことをわからないままに話すことになっちゃう。が、何か芸がないとつまらない。‥そうだ! お姉ちゃん、私に質問して!」
「お、それでこそ対話ブログといったものね。対話の長所を生かすのね。つまり相互で会話のキャッチボールをさせることにより、ネタがないことを上手く誤魔化すどころか、対話効果でおもしろい寸劇ができるという魂胆ね。策士ね。」
「いいから! 質問して!」
「最近、楽しみにしている漫画は?」
「大食い甲子園!」
「あー‥」
「これね、会う人ごとにいってることなんだけどね、何をって、大食い甲子園はおもしろいって話を、こう所構わず、相手が無視してモンハンしているのにもこだわらず、熱弁を振っているんだけど、なかなかよさが伝わらない、気がする、みたいな。」
「佳代、少食じゃないの?」
「自分があまり食べられないから惹かれる、かな。‥コンビニのおにぎり二つでお腹がいっぱいになったときは、ああ私はフードファイターには決してなれないんだなって思ったよ。‥この内容のツイートをたぶん2009年の秋頃にした気がする。覚えてる人はいないと思うけど。‥でも、だけど、去年の夏、大盛のつけ麺を完食することができたのは、大食い甲子園で教わったテクニックを実践できたからだと思う。つまり、常に食べ続ける、小まめに食べる、水はあまりとらない、という基本にして奥義を実地に応用できたからじゃないかなって考えてる。あと、なんだろ、あれ、大食い甲子園は話がスムーズなのもおもしろい。もう、なんか、わからないけど、あれはいい。」
「‥ま、はてさてね。」
「‥あとは、何かな、いうことあるかな、ないや、おしまい。また明日。」
「明日も更新するかしら? 近ごろ湿っぽくて暑くてだるいから、書かないかもしれないかしらね。ネタが思いつかないのもそのためね。なら、しかたがないでしょう。たぶん。」
2011/03/26/Sat
「「とらドラ」という作品とは思いのほか、長い付き合いとなっている。原作が終ってもう二年弱かな、経っていると思うけど、本作について感じるのは、その派生作品たるアニメ、そしてこの漫画版、そのいずれも実によくできている点。これは恵まれているし、また原作そのものが持つ魅力の土台がしっかりしていることの証左だと思う。アニメ版はその完結の仕方、完成度に至っては原作を越えている面が少なくないと思うし、漫画版は一つひとつが丁寧な描写で「とらドラ」という物語の情調、余韻を、余すことなく伝えてくれている。何より、大河がかわいくて、とてもよろし。本作の登場人物はみんなかわいい。よきかな。」
「このクオリティをずっと維持しているのだからすばらしい限りね。もしかしたらこのコミカライズが「とらドラ」という作品の決定版になるのでないかしらって、そんな変な考えまで浮んでくるほど、本作はきちんと一からレンガを積み上げるように、物語をじっくり正確に進めることに注力している印象を受ける。ま、はてさて、完結までどれくらいかかるかわからないのが、なんともいえないところでしょうけど。」
「今回描かれているのは大河と亜美さんの水泳対決のところまでで、物語としてはとくに感想をいうべき点は見当らない。ただ久しぶりに「とらドラ」に触れて思ったことのひとつに、ラノベをコミカライズするときのある特徴というものがある。というのは、この作品、原作は主役である竜児の一人称で物語られているのだけれど、漫画になるとそれが一転して、純粋な偶像劇となる。コミックという世界にあっては、竜児もまた多数の登場人物の中心であるだけで、本作では彼のモノローグも最小限であり、少なくとも私の感じた限りでは、竜児と大河は対等な立ち位置にある主役として、描かれているように思うかな。‥それをいったらアニメ版も同じでないかーっていわれるかもしれないけれど、たしか記憶を思い起すと、アニメのほうは竜児の独自は多かった気がする。それに対し、大河の心の台詞がいわれたことはあまりなかったものね。その意味でも、新たな観点から「とらドラ」という物語を、このコミカライズは創造しているように思えてくる。これはなかなかおもしろい。」
「もちろんそういった事情は何も「とらドラ」だけに影響してくるわけじゃないのでしょうけど、この作品については竜児の視点から見た物語という印象が強かったから、余計にそういったことを考えさせられるのかもしれないかしらね。なんというのか、これまでは竜児の目からしか見えなかった人物たちが、ある一つの限られた舞台、シーンに立たされているような感触を受ける。すると、このコミカライズは、ちがった「とらドラ」という余地を引き出してくれるのではないかしら。‥ま、今後どうなるか、楽しみにするとしましょうか。」
竹宮ゆゆこ、絶叫「とらドラ」4巻
2011/03/11/Fri
「コーデリアさんとエリーの組み合わせがとても好きって、折に触れて、私はいってきたようにも思うけど、その理由は何かなって考えると、ひとつにこの二人が少女らしく、つまりなんていうかな、girlishに描かれているからだと思う。二人とも、見栄えして、かわいいものね。かわいい女の子はかわいい女の子を好きになるべきなんです! って、これは前にもいった気がする‥」
「ネロとエリーの組み合わせもけっこう見る気がするけれど、あれはどうなのかしらね。ってか、小説だとエリーはネロに自分の胸を触らせていたけれど‥」
「ネロはー‥嫌いじゃないけど、ぜんぜん嫌いじゃないけど! 女の子らしいって思うけど! でも私はデリエリのほうが好きなの! ごめんなさい!」
「ちょっとボーイッシュなのかしらね。」
「boyishかー‥。‥というところで、ちょっと余談に入るのだけど、私自身は性差というのは極端に考えて、存在しないと思う。無意味な線引きだと思う。でも、性差というものは現に存在しているでないかーって反論されるかもしれないけど、なら私は、それはそう、というのも社会的、文化的に性差というものは構築されるもので、そして人は社会的存在として個を確立するのだから、って答えるかな。そしてこの意味において、性差というものはまったく実質的に存在しているし、その意義はまた限定的なものであることが明らかになる。というのも、社会とはある限られた集団内を指す言葉だから。」
「故に当然、別な社会集団においては異なった性差が機能する、と。そう考えていくと、BLだの百合だのいろいろいわれるのでしょうけど、それらが示す実態や内容、つまりは同性が同性を愛することというときの同性がどのような内実を意味しているかは、何も普遍的なものはなく、明らかに時代的、また地理的な特色を担うということになのでしょうね。フェミニズムというのも、その意味では、時代と社会背景を考慮しないでは考えられないものともいえるでしょう。‥ま、これは簡単に応答してはいけない領域かしらね。」
「性差というものはそういった理由で本人の意識、また他者の意識、突き詰めていえば、ある共同体の意識が問題となる。だから社会では性差が求められる状況、あるいは性差が無効とされる状況、もしくは性差を有効とせねばならない状況、性差の影響力をできる限り減らしていかなきゃいけない状況というものが各個に存在する。澁澤龍彦はかつて愛欲をして「愛欲が性への隷属下にあるのではなく、性を乗り越えてさらに広大であること」を教えてくれるものだといった。私は、ネットを介し表現されるオタク文化の性の多用な表現への試みを、愛欲が社会的制度、文化的状況を乗り越え、いかに人間本来の性の可能性を示してくれるものと評価する。‥って、なんでミルキィホームズのコミックスの感想がこんな話になっちゃってるんだろう。わけわからないでないかー。」
「コーデリアとエリーのよさをいいたかったんじゃないのかしら?」
「私のお花畑! ‥さておき、コミックスの感想をすると、この手のコミカライズにありがちで、とりたてて内容に言及すべき箇所はないかな、と思う。‥あ、でも、コーデリアさんの制服にエプロンつけた姿が見れたのはすごくよかった。コーデリアさんは美人。素敵。」
「最後のエピソードでシャロが象を拾ってくるのは、ミルキィホームズらしい荒唐無稽さでおもしろかったかしら。‥しかし、小林先生がいないと話が壊れないのよね。先生はなんて偉大な人かしら。」
子安秀明、水島空彦「探偵オペラ ミルキィホームズ」2巻
2011/02/25/Fri
「みっちゃんとひとはの愛のために私に何ができるかなと考え続けて、早数ヶ月。仲よしのみっちゃんとひとはのためにわが身を捧げたい。」
「はて、また二次創作でも書いたら?」
「そんな‥! 原作が好きすぎて、私の手にあまる‥! ‥もう、なんていうかな、あの感じ、好きすぎて遠くから眺めているだけでいいみたいな、書きたいけど書けない恋文みたいな、書いたはいいけれど出すことはないラブレターみたいな、そんな情熱が私の身を焦がしているっていうのが適切だと思う。ほら、あるじゃない、そういう気持。‥ラブレターを出す勇気がないんじゃないんだよね。勇気がないというよりか、書くだけでいいみたいな。この気持は私が大切に孤独に思っていればいいみたいな。でもみっちゃんとひとはの愛のすばらしさを広めるために、声高らかに謳いあげるために、私はあえてブログを書くんだけど! できれば、二次創作もあげたいんだけど、でも無理! ごめんなさい! 許して!」
「‥なんだかよくわからないけど、結局、二次創作やりたいんじゃない、本音は。」
「‥実は書き損じた二次創作はノートに散らばってあるよ。つまり、こう、納得行かない感じなのが、たくさん、ある。私にみっちゃんとひとはのラブラブを描ききることは難しいんだよ‥。なんか、好きすぎて。」
「よくわからないけど、あ、そう。そうなの。」
「朝、外に出るときは、私の前をみっちゃんとひとはが手つないで歩いてないかなって考えてる。ほら、この前、そういった話あったよね。寒いときはみっちゃんの側に寄り添うのが一番だっていうの。‥何それ、萌える! そんなこといっちゃうひとはに私萌えちゃう! かわいい! すてき! いじらしい! きゃー! かわいすぎ!」
「絶好調ね。」
「私はいつもクール! 今週もよかったね。‥こう、ひとはが糸電話でみっちゃんとつながってて。」
「なんとも曲解した感想ね、それ。」
「11巻も見どころ多くて私は満足。たとえば、194卵生の、ひとはに「可愛くて…」といわれたと勘ちがいしちゃうみっちゃんの姿と、そのやりとりは、もう私はこのシーンを見つめているだけで、いい夢が見られる。‥ほら、あれじゃない、やっぱり、これはみっちゃんはひとはのことが好きだから、ね、こういう態度をとってしまうんです。きっと。私はそう信じている。一方、ひとはも、みっちゃんの汗をなめたり浴びたりで、もういろいろクライマックス。すばらしい!」
「ひとはとみつばのことを夢に見たとも、以前、いっていたかしらね。」
「うん。見た。私の精緻な灰色の脳細胞も二人の愛で染まってしまっているって、そのとき、感じた。‥でも、コーデリア・グラウカの断章って内容の夢を見たときもあったから、私はやっぱりクールなんです。こんなにクールなの、なかなかないんじゃないかな。」
「そうね。超クールね。はてさて、じゃ、中身の薄いエントリは、ここで終わりにしましょうか。きりないし。」
桜井のりお「みつどもえ」11巻
2011/02/23/Wed
「昨日、「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズについて話そうかっていったけど、ごめんなさい、あれは嘘。今日は「夢喰いメリー」の感想をする。」
「はてさて。嘘をついていると、信用なくすそうよ?」
「だって、既刊のコミックスを全部そろえちゃったんだもん!」
「手が早いのね。」
「1巻はすでに読んでいたし、それにアニメの色香の魅力が私の好奇心を刺激したから、かな? ‥さておき。本作のファーストインプレッションだけど、メイドはいいね。すばらしい。5巻に描かれたメリーと光凪さんのメイド姿は実によろし。この上なく、魅力的で、本作の登場人物のスマートな姿、立ち居振舞いに、オーソドックスなメイド服の衣裳は映える。私は賞賛を惜しまない。でも、とはいっても、勇魚のかわいらしさの前に、さすがのメイドメリーとメイド光凪の魅惑も、私にとっては、霞まざるをえないことを残念ながらここに告白しなきゃいけない。‥あれ。じゃ、メイド服を着た勇魚が最強じゃない。たしか4巻で少し描かれているね! すばらしい!」
「‥それってメイドを褒めているの、それとも勇魚を褒めているの?」
「本作のセンスを私は褒めているの! ‥ということで、本作は非常にキャラクターの造詣が上手い。卓抜だと思う。おそらく何かのアニメや漫画で見たことがあるだろう、王道のような人間関係。キャラクターの設定。世界観。そして、ストーリー。そのどれもが斬新さという点では欠けていようとも、でもそれを補って余りある、キャラの魅力、端役といえども決しておなざりにはしない人間味あふれた登場人物の描き方、一人ひとりに血肉が通っているように感じられる筆致の柔らかさ、その熱意の印象は、本作のおもしろさの根幹であり、そして最大の武器であると思う。‥これはなんていうのだろう、物語自体はそれほど驚くような成行ではない。しかし、丁寧に表現される人物たちの存在感が、物語に味を与える。深みをもたらす。単なる記号や道具に陥っていない人間らしさが、本作の表す世界とドラマに、熱と思いを賦与している。この作品は、だから、読んでいて、とても気持がいい。」
「それぞれのキャラクターが生きているという感じがするとでもいうのかしら。生きた人間の温かさというか、人の温情、やさしさのようなものが、行間から伝わってくる。こういうふうに、キャラクターの魅力を伝えてくれる作品というものは、もしかしたら、あまりないのかもしれないようにも思われてくる。よく考えられたキャラ造詣、いや、考えだけじゃたぶんこういう描き方はありえないのでしょうね。熱の入った人間描写というべきなのでしょう。」
「おもしろいね。アニメはさらに音楽とフェティッシュ全開な映像で楽しませてくれる。居心地がとてもいい作品だと思う。‥でも、あー、勇魚がかわいい。なんでだろう。私がこんな幼なじみキャラにやられるなんて! けれど、勇魚はメイド姿が似合うから、困る。許しちゃう。すばらしい!」
「それ、勇魚が好きなのか、メイドが好きなのか、幼なじみが好きなのか、よくわからない言い草ね。‥しかし原作を読んでみると、アニメのほうは少し駆け足な気もするかしら。もちろん時間が限られているのだからしかたないとはいえど、じっくり描写できる素材が詰まった作品であるだけに、なんだかもったいない感じもするかもしれない。昔のアニメみたいに何十話もやってられないでしょうし、しかたないことだけれど、残念な思いもあるかしらね。」
牛木義隆「夢喰いメリー」1巻 牛木義隆「夢喰いメリー」2巻 牛木義隆「夢喰いメリー」3巻 牛木義隆「夢喰いメリー」4巻 牛木義隆「夢喰いメリー」5巻 牛木義隆「夢喰いメリー」6巻
2010/12/23/Thu
「落ち着くところに落ち着くべくして落ち着いた最終巻って感じ。物語の筋を追えば、ここで終るのがいちばんきれいかなって素直に思える。でも、だけど、ちょっときれいにまとまりすぎていて、その点では若干インパクトに欠けるかも‥と、思っちゃうのは、たぶんぜいたくな不満というべきかな。ただこの作品に関しては、始まりから最後までほぼリアルタイムで読んできたということもあって、私個人はいろいろ感慨深い。その意味では、無事にまとまったことを喜ぶ気持のほうが強いかもしれない。」
「長かったものね。一話あたりから丁寧に雑誌で追ってきた作品というのは、我が身の不精さから数少ないけれど、本作についてはその希少な例外となったって感じかしら。そしてまとめて読み返して思うけれど、これはキャラクターのおもしろさで読むべき作品なのかしれないかしらね。ドラマはあるけれど、それは典型的なもので、目新しい点はさほどない。しかし、ただ、登場人物の造詣が多様でよかった。深いキャラは実に興味深い印象を残してくれる。それが本作の美点だったのでしょう。」
「純真ミラクルというけれど、でも私は本作の登場人物がさほど純真とは思ってない。とくに主人公のモクソンに対してはまるでそうは思ってない。モクソンは実に屈折したキャラだった。というのは、彼女は常人にはなかなか理解しがたい複雑な感情の持ち主でありながら、そのことを自覚しておらず、素直に複雑な感情に駆られるがまま、愚直に自分の気持を周囲に吐き出す人物だったから。持て余した感情と善意のあいだで、子どもの部分と理性ある大人の部分を、音楽という才能で覆った歪な人間というのが、私の偽らないモクソンという人の印象だった。その意味では、このキャラほど好き嫌い、合う合わないが分かれるキャラもないのでないかな。ちなみにいうと、私はモクソンは少し苦手。」
「モクソンって、たしか音楽をやるために家を飛び出しているのよね。学生時代は友だちも少なかったっていうし、外見どおりのいい子ではまったくないのよね。その意味では食えない人間だし、底知れない不気味さもどこかある。ま、ずいぶんとおもしろいキャラだったかしら。」
「それと対照的なのが末澤さんで、彼女はすごくよかった。仕事に苦しみ、悩みながらも自分の責務を果そうと尽力し、なおかつ他者を傷つける自分のエゴイスティックな側面に目を避けることができず、苦悩し、それでいながら自分にとって大切なものを守るために、最終的には勇気ある決断をする度胸を有する。‥すばらしい。純真ミラクルの後半の物語はまさに彼女の物語だったといって過言でない。末澤さんはすばらしかった。」
「ある意味、最も常識的な立場にあった人物だったから、彼女の印象はより濃いのでしょうね。そこへ行くと、所長さんと工藤さんの恋愛劇のほうは、多少、物足りない感じが残るかしら。」
「二人とも、ヘタレだったから。‥でも、ちょっと悪口のようなこといっちゃうと、私、この二人が恋人としてやっていく姿がよく想像できないんだけど‥私だけ? この二人って、二人きりで、一体、どんなやりあいするんだろう。ちょっとイメージが湧かない。うーん‥」
「ま、そこらははてさてね。というか、工藤さんがこの作品のなかで一番できた人で、ある面、完璧超人のようだったから、そういった印象が生まれるのかもしれないかしらね。この二人の恋愛がどう転ぶかは、なんか予断を許さない気がするけれど、それは穿ちすぎといったところでしょうね、たぶん。」
「オクソンもよかった。オクソンはずっとかわいかった! それだけでよろし! ‥と、ある程度、感想をいったところで、このエントリはおしまい。長い間、楽しませてもらいました。ありがとう。」
「この作品にかこつけて、ブログでもいろいろなことをいわせてもらった気もするかしらね。‥考えてみると、四年間、か。思い出深い作品の一つとなったといえるでしょう。ただ感謝ね。」
秋★枝「純真ミラクル100%」5巻