隠れ蓑～penseur～

　べにぢょのらぶこーるさん

『ネットの世界には2種類の人間がいる。インターネットの力を信じる人間と、信じない人間だ。知っている人間とまだ知らない人間、と言い換えた方が分かりやすいかもしれない。ミクシィやってる人はまだまだネットの力を知らないと思う。正の力も、負の力も。
　2ちゃんねるの人たちは塵も積もれば山となることを知っている。
ミクシィの人たちは、私ひとりが貢献したってどうなるもんでもないでしょう、と思ってるフシがある。ミクシィ世代はまだ、この世界にいろんな人がいることを知らない。会員制で囲い込まれた温室で育ったから、身を守る術を知らない。雨の冷たさや嵐の恐ろしさ、太陽の光を享受する気持ち良さを知らない。でも名無しの雑草は知っている。山崎マキコさんの言葉を借りるならば、人間の”吐き気がするほど汚れた部分と、泣きたいほど美しい部分”を。外に出て来い！とまでは言わないけど、温室の壁は限りなく脆いから、たまに外を覗いてみることも必要だと思う。外の世界は、楽しいよ。』

「私の感覚としては、2chは水槽でmixiは檻かな。垣根なくいろいろな生物が泳ぎまわっていて、ふらふら揺れてる海草や、岩にぽつねんとしている貝や、見えないけれどプランクトンが漂っている水槽と、格子に挟まってららるーとしてたり、だらだらお昼寝できたり、たまに見知らぬ人が見物したりするのが檻のなかの生物の生活。」
「直感的な比喩だこと。」
「なんだかそんな感じがするー。それと優劣云々に対してだけど、その比較は無意味かな。けっきょく2chもmixiも数ある道具のうちのひとつなのであって、使う人間にその価値は委ねられているものだから。」
「ま、ね。正論だ。」
「片方の道具に執着することのほうが、よっぽど危険かも。私には2chにもmixiにもこだわりないし、関心も希薄だったりする。信頼は、別問題だけどね。」

http://www.youtube.com/watch?v=mUDravpPno4

「押井監督ならなにも不思議じゃありません！」
「いや、デジタルだから、あれ。」

「D.C.S.S.を鑑賞中。‥うーん、つまらない。」
「相変わらず、歯に衣着せぬ物言いの子ね。」
「前作の切れがありません。前作は前半は人畜無害のコメディを巧みに演出し、後半は人間の暗黒面、人を嫉視し、それでも大切な人間の尊厳を、想いを貫くことを描いた凄絶なまでの傑作でした。ほんとに後半の流れはすばらして、すごく綺麗で私は大好きだったな。」
「そういえばそうね。けっこう赤裸々な感情の吐露を描いていたね。」
「さくら‥」
「おい。」
「‥そんなふうにとてもよくできた前作と比べちゃうと、二期は凡庸かなーという気がします。ちょっと期待していただけに残念。」
「ま、仕方ないよね。」
「こんなこともあります！Canvas2でも観ようかな。」
「評判は、どうなんだかね。」

「お姉ちゃん、ハムレットごっこやろーよ！シェイクスピア特有の人間世界に対する普遍的真理を体現します。私、ハムレットの父の亡霊やるから、お姉ちゃんはハムレットやってね。第一幕、第五場、亡霊との対話でハムレットが真相を知る決定的場面を再現します。」
「‥まておい。」
「なにか。」
「なんでいつもいつもいつも、あんたはそういうの提案するかな。私たち演劇団員でもなんでもないんだから、やめやめ！」
「久しぶりにハムレットを繰ってみたら、気持が盛り上がったのでその感動を共有しようと思ったのに‥」
「あー‥そう。でもさ‥」
「きけ、ハムレット、きいてくれ！父を愛していたのであれば。悪逆非道の殺人に復讐せよ！お前の叔父が私をころしたのだー！毒殺だー！」
「わが魂の予感どおりだ！叔父がっ！！　‥って、のりません。」
「あはは。じゃ次はハムレット対レアーティーズを再現だ♪」
「やりません。もう‥、でも佳代が四大悲劇のうちで好きなのってハムレットだっけ？」
「ぜんぶ好きだけど、いちばんはマクベスかな。あらすじはリア王とかと比べると小規模だけど、そのぶん凝集力があって作品として必要なもののみを丹念に彫刻したって感じがする。」
「いわれてみればそんな気もするな。」
「展開に余分なものがなくて、すごく綺麗。三人の魔女も好き。」
「きれいはきたない、きたないはきれいのあれか。」
「でもテンペストとかも好きー。魔術師プロスペローかっこいい‥」
「あーそう‥。この世は一夜の陽炎、か。」

「エヴァがまた劇場版になるらしいので、この作品について思うところを少し書いておきます。シンジくんについてちょっとだけ。シンジくんはアニメの人気投票とか見かけるとものすごく嫌われているようだけど、これは表面的にだけでなくけっこうふかい本源的反応があると思うのです。シンジくんに人間的魅力があるかときかれると、それはあんまりないかなという答えになるのは至ってふつうな反応だと思いますし、彼はふつうだから。でもシンジくんのこと好き？っていう質問は、ハムレットのこと人間的に好き？ってきかれるのと雰囲気としては似ていると思う。ハムレットは作中では挫折コンプレックスと呼ばれるような、進んで困難を乗り越えようとする性格の人でなく、運命に遊ばれて、悩み通しでさいごに自己懲罰的に終っちゃったってな人でした。私は、エヴァがすごく西欧的、フロイト的世界観に描かれていることもあって、どうしてもエヴァとハムレットを比較しちゃいます。」
「エヴァとハムレット、ね‥。精神的土壌としては似通っているのかな。」
「うーん、そんな気はするね。「to be or not to be」という科白と「逃げちゃだめだ」はどこか相通じる部分があると思う。シンジくんは原型としての性格をたぶんに備えていて、そしてその備えているという性質がエヴァの神経症的な箇所を如実に演出している‥、ような気がする、かな。」
「でもコンプレックスのない人間なんてつまらない、ってな意見もなかったっけ？」
「あるよねー。ユングは意識の抑圧によって分離した一要素を、コンプレックスと呼んだんだよね。多かれ少なかれ、コンプレックスは誰にでもある、特別なことでないんです。さいごに澁澤龍彦「エロスの解剖」から引用‥」

「‥自己聖化のコンプレックスがある。アドラーはこれを「神にひとしい存在たらんとする傾向」と定義した。自己聖化の意志と人間的な状態とのあいだに、ある裂け目が生じ、時としてそれがドラマティックな色合をおびる、クロオド・エドマンド・マニイによれば、芸術上の超現実主義は、このドラマの表現である。「神になりたいと一度も考えたことのない人間は、人間以下である」とヴァレリイもいっている通り、芸術という一種の神経症も、コンプレックスがなければついには成立しないのだ。」

「シャンソンを読んでいたら、ひとつとても心揺さぶられた歌があったので紹介します。私は曲名きいてもぴんと来ないんだけど、詳しい人ならすぐにわかるんじゃないかな。エディト・ビアフ作詞、マルグリット・モノー作曲の「愛の賛歌」　気になったところを引用‥

Si tu me le demandais.
On peut bien rire de moi,
Je ferais n'importe quoi,
Si tu me le demandais.

（もしあなたが私にそう頼むなら
　人は私のことをおろかと笑うかもしれないけれど
　私は何だってするよ
　もしあなたが私にそう頼むなら）

Si un jour, la vie t'arrache a moi,
Si tu meurs, que tu sois loin de moi,
Peu m'importe si tu m'aimes,
Car moi, je mourrai aussi.
Nous aurons pour nous l'eternite,
Dans le bleu de toute l'immensite.
Dans le ciel, plus de problemes,
Mon amour, crois-tu qu'on s'aime?
Dieu reunit ceux qui s'aiment.

（もしある日、人生が私からあなたを奪っても
　もしあなたが死んで、私のとおくにいってしまっても
　そんなこと大事でない、あなたが私を好きでいてくれるなら
　だって、私も死ぬのです
　私たちは永遠を得ることになるんだよ
　広大な青空のなかで
　空には、もう悩み事なんてなくなる
　愛しいひとよ、私たちは愛し合っているんだよね？
　神さまは愛している人たちを結び付けてくれる）

　とてもロマンチックで悲しい歌‥。1949年、エディト・ピアフが亡くなった恋人のために作った悲恋の曲です。」
「シャンソンか‥。佳代にそんな趣味があったなんて知らなかったな。」
「フランス語の勉強で訳していただけだよ。‥なんか有菜先生の「満月をさがして」とか思い出しちゃった。」
「悲恋かー。憧れはあるけど、実際にはやだよね。」
「あれ、お姉ちゃんはそういう人？」
「だってそうじゃない。悲しいのは皆、いやよ。」
「どうかなー、よい人生なんて神さまにも判断できないよ。もちろん私にも、お姉ちゃんにも、あなたにも、ね♪」

http://www.miyadai.com/index.php?itemid=403

「私は萌えがデータベース的消費だという考えはちょっと懐疑的なんですが‥、私は萌えとはヨーロッパ的「愛」に日本的愛の源泉たる「めぐみ」の要素を蘇らせたのが「萌え」だと考えているのです。そういった観点からみるならば古語の「あはれなり」が最も「萌え」のニュアンスにちかいのでないかな、と考える。‥そしてこの「あはれなり」は世の中一切の万物に向けられる慈しみの表現であって、私は萌えにはまちがいなく全体性、私たちを含めて存在する世界への憧憬の感情があると考えていました。‥ま、でもさいきんの萌えはほんとにつまらなくて、ゲームもまんがも型きりが増えたというか、そればかりというか、わるい意味でラノベ的、動物的視野の狭さが露骨に強調された萌えが覆っているなーという気がしてならないのです。それは端的にいえば、全体性の喪失、夜の輝きを失った萌えとでもいえばいいのかな？」
「夜の輝き、ね。それで？」
「うん、異性との直接的恋愛が全体性の回帰になるという意見は、正直、説得力があんまりないというのが正直なところです。そんな保証はぜんぜんないし、今までもなかったのかもしれない。で、まーあとは‥」
「あとは？」
「ピグマリオンをばかにするなー！ピグマリオンは人間が想像しうる幻想のなかでも最も夢に満ち、最も魅惑的なもののひとつです。澁澤龍彦「少女コレクション序説」を読んで、そのあとナボコフ「ロリータ」、ボードレールを読みながらベルメールの人形写真を真っ暗な部屋で燭台の灯で照らして眺めましょう。きっと素敵な世界におもむけるはず！」
「なんか気が変になりそうね、それ‥」

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/business/investigation/story/28gendainet05017302/

　独身の１８～３４歳の男女１万２０００人を対象に調査したところ、「恋人がいる」と答えた女性はわずか３２％。男性の方が「恋人がいる」は２４％と少ないが、０２年の前回調査から１．９ポイント盛り返した。ところが、女性は１．２ポイント減っているのだ。

　年ごろの女性ならいくらでも相手が見つかりそうなものだが、３割しか彼氏がいないとは、どういうことなのか。「東京家族ラボ」主宰の池内ひろ美氏が言う。

「おしゃれをしたり、エステに通ったりとキレイを楽しんでいる女性には、たいてい彼氏がいます。彼女たちの中にはひとりで複数の男性と付き合い、セックスをしている女性も多い。一方で、それらがまったくない女性も急増。恋愛でも二極化が進んでいるのです。彼氏がいない女性は恋愛に費やすエネルギーが減っている。とくに派遣やパートの女性は経済的な余裕がなく、時間もかけなければならない恋愛が面倒になりがち。これでは面倒だから動かない、動かないからもっと面倒になる、という悪循環に陥ってしまいます。その揚げ句に、手軽なアニメや漫画のキャラに逃避するタイプが増えているのです」

「うーん、恋愛がめんどうだからまんがやアニメというのは恋愛至上主義的観点から見た一方的で狭量な見方だと思うな。いちばん肝心なのは好きだから～するということであって、人は好きなこと以外はみんなしないんだよね。」
「でもこの手の話は昨今よく目にする気がするなー。」
「本田透先生の「電波男」とか、よくこの辺の事情を書いていたのを思い出しました。」

あんた方（がた）何処（どこ）さ　肥後（ひご）さ
肥後何処さ　熊本さ
熊本何処さ　せんばさ
せんば山には　狸（たぬき）がおってさ
それを猟師（りょうし）が　鉄砲（てっぽ）で打ってさ
煮てさ　焼いてさ　食ってさ
それを木の葉で　チョッとかぶせ
http://www.mahoroba.ne.jp/~gonbe007/hog/shouka/antagata.html

　＜子猫殺し＞直木賞作家・坂東さんがエッセーで告白

　坂東さんは日経を通じて「タヒチ島に住んで８年。人も動物も含めた意味で『生』、ひいては『死』を深く考えるようになった。『子猫殺し』はその線上にある。動物にとって生きるとはなにかという姿勢から、私の考えを表明した。人間の生、豊穣（ほうじょう）性にも通じ、生きる意味が不明になりつつある現代社会にとって、大きな問題だと考えているからだ」とのコメントを寄せた。

「私はこの話を聞いたときからずっと違和感に襲われていて、そしてそれがどういう意味をもつのか、いけないこととするならその根拠はどこにあるのか、どうして私は嫌な気持になるのか、感情や理屈やイデオロギー、ずっと考えていました。それで、ふとこの「あんたがたどこさ」のわらべ歌を思い出して、すべてのわだかまりが氷解するような気持になったのです。この歌には、人間や動物や、生命や生死や、人の業や地球に生きるすべての宿業、それが軽やかに歌われています。そして、たぶん、これがほんとうのほんとうだと思うのです。このわらべ歌はぜんぶを教えてくれている。」
「何かすっとした？」
「うん。これでこの話はお終い。もうやんない。」

「ローゼンメイデンの七巻が売ってるなーと思って本屋に行ったら、なんと今回も初回限定版があるようで、事前にネットとかで情報を得ていなかった私はびっくり、五巻の限定版はちゃんと買ったんだけど（CD-Rがついていたやつ）今日はものすごくお金がなくてあきらめて、「柳沢教授の生活」文庫四巻目を代わりに購入しました。やっぱり柳沢教授はすごくおもしろい！」
「‥まておい。」
「なにか。」
「どーしてローゼンメイデン買いに行ったのに柳沢教授買ってくるの？そういう無計画だからお金がなくなるってわからないわけじゃないでしょ？」
「‥明日になったら誰かからお金がもらえるかもしれない。」
「もらえないよ！ってか限定版買えなかったなら、ふつうの買ってくればいいじゃない！どーして柳沢教授になっちゃうのよ！？」
「理想は同時購入でした。」
「あー！！だったらもっとお金に対して几帳面になりなさい！ラノベをイラストで適当に選ぶのやめなさい！！」
「もー。その発言は資本主義的価値観に毒されてる故のものです。お姉ちゃん、マルクスは共産主義が瓦解した今だからこそ読むべき価値のあるものなんだよ。」
「マルクスはこの場合、関係ないって！！」
「偏見や弊害を取り除いて、まず理解することが肝心だって柳沢教授も仰られています♪皆さんも悪いイメージがあるかもだけど、マルクスは読もうね。」
「いやそりゃ読むけど、何だかすごい論点がずれてる気がする‥」

「でも放映局の関係で観てません。」
「‥」
「DVDを気長に待つほかありません。もしこっちでも放映してくれていたなら、毎週でも感想書いたのに。ほんとに。」
「‥それはどうかな。」
「アニ横‥、私がこの世でいちばん愛しているのに、アニ横が好きで好きでお財布にもイヨっぺのキーホルダーをつけてるのに‥夜はアニ横のコミックスが枕もとにないと眠れないくらいなのに‥アニ横がアニメ化決ったときはアニ横帝国のはじまりだーってネットカフェで猛ったのに‥そして友だちにメールしたのに‥「私、アニ横大好きだよ」って‥前川先生のweb拍手も気味わるいほどしてるっていうのに‥」
「いや、最期のはどうかって‥」
「アニ横、アニ横、どうしていつもいつも私の好きなもの、私、大好きなのに、何で皆がアニ横最終回で盛り上がっているのに、私、私‥」
「か、佳代‥？」
「プラトンパンチだー！ブラックホールごと砕け散れー！！」
「わ、わあああっ！！？」
「滅んじゃえー！！！」

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0925/high43.htm
「とても興味深いお話です。私はネットにはずっと懐疑的な感情が消えずにあって、そのひとつとしては、ネットというものが結局は人に有効に働かないのでないかという気持がしこりとしてありました。ここでいう有効は本源的な理性との乖離という意味くらいです。」
「ネットっていうのはスピードがいちばんだというところがどうしても機能的にあるしね。」
「読むこと書くこと、学ぶという行為についてとても示唆的だよね。ちょっと引用してみます。」

「私にとって最もシンプルなアナロジーは本がどう使われているかだ。本に書かれている事柄の範囲は広い。さまざまな人々がさまざまな本を買う。本はあなたが啓蒙される機会を与えるが、あなたを無理やり啓蒙しはしない。本を読む読者になるだけであなたは変わるが、それだけで啓蒙されるわけではない。同様に、コンピュータユーザーになるだけであなたは変わる。例えばインターネットを使えるようになりさまざまな物事を見つけるとあなたはそれまでと違った人間になる。しかし必ずしも啓蒙されるわけではない。

　過去1世紀の電子技術のほとんどは退行的だ。というのは電子技術の多くは書くことよりオーラルコミュニケーションを奨励するからだ。昔、人々に読み書きを強いた多くのものは今は存在しない。楽しみのために読まなければ、恐らく必要になったときには読む鍛錬が足りていないだろう。書くこともどんどん不要になっている。将来はもっと、コンピュータが、“学ばないこと”の言い訳になるかもしれない。米国の多くの学校は、子供がGoogleで何かを見つけコピーすると、それで学んでいると思っている。しかし私は、子供がそれについての作文を書かない限り学んだことにならないと主張している。作文は思考を組織化する。単に博物館の展示物を集めるだけではない。しかしほとんどの学校はその違いを分からない。

　だから、理想的未来は人々が今日よりも、よりよく考える未来だが、ありそうな未来は、人々がよりよく考えないでしかもそれに気付かない未来かもしれない。」

「私たちも実はこのカエルと同レベルで、気付かない物事が多い。そしてそれを普通だと思い込み、すぐに二者択一的な考えをする。しかしまず自分が気付いていないということに気付いてみよ。すると、ほかに方法はないか考えるという科学的思考が始められるようになる。世の中の人が皆そのような理性を身につければ、科学は進歩し、短絡的な善悪判断による紛争もなくなるかもしれない。」

「もし私があなたの絵を描くなら、私はあなたが人間だということを無視して描く。なぜなら(目や鼻をマンガのようにさっさと)線で描くと、これが目でこれが鼻だとすぐに認識できるが、絵は光や影を(観察しながらゆっくり)描くものだからだ。芸術家と科学者は世界を同じような方法で見ている。」

「なんだかぼーっとするねー。こうして日一日一日をゆっくりのんびり暮していると、人生の営みの無目的性とかに思いがいっちゃうねー。」
「そうねー。大局的な見方と個別的な感覚っていうの、結局はどちらも小粒な理念に通じちゃってるのかしらね。」
「んー、ソクラテスの論議も暇があるから思索できるんだーって自分でいっちゃってるもんね。忙しいというのは心を亡くすって書くんだよって警句があるけれど、それってなんだか運命論的な響きがある気がする。」
「でもさ、ボルヘスってすごく勉強家だっていうから裕福な家庭に生まれたのかなって考えるけど、実際はすごく人生に労苦している人よね。」
「ウィトゲンシュタインもそういう向きあるのかな。」
「ウィトゲンシュタインはねー、日記読むとすごいから。」
「トルストイの「光あるうち光の中を歩め」を思い出しちゃった。たしかこーいうのがテーマだったね。」
「あれかー。ま、どちらにせよ、決定的なものはどこにもないってことかしらね。」

「短篇小説の世界的名手チェーホフの代表作のひとつです。この作品は名声を博しながらも人生の意味を掴めない老教授の苦悩を描いたものなんですが、私みたいに本とか語学とかばかりにかかずらっている人間にとって、非常に‥なんていうか、考えさせられます‥。なんだかショーペンハウエルの人生とは結局、虚無的なのだという言葉がそのまま字面に表れたような、幸福と人生の意義とか、実にいってよければ厄介な、考える上で厄介な、ものだと認識させられます‥」
「この作品のあとチェーホフはサハリン旅行するんでしょ？1890年だったっけ？」
「うん。そして「退屈な話」につながるんだよね。チェーホフのなかで何がどう変化したのか、彼が見たものは一体何だったのか、私はとても気になるな。すごくおもしろい作品なのでいろいろな人に読んでもらいたいと思います。」

「諸々の事情により、背景を思い切って明るく広く変えてみましたー！どーかなお姉ちゃん、これも素敵だよね。なんかがらっとイメージ変わるよねー。」
「うーん、文字も大きくなっていいんじゃないかな。ただでさえ細々としたエントリばかりだったからね。」
「目に優しくなりました！心機一転とはこのことか！」
「それはどうだろう。」

「なんだか知らないけど、背景のテンプレートがずれてます‥。どーしてなのかさっぱり‥」
「ね、この際だからテンプレート別なのにしようか？何でクリスマスのプレート使ってるのか、前から疑問だったのよね。」
「うーんと、たしか時間がなかったからぱっと目についたのに決めたんだよね。黒と白のコントラストが綺麗だったから。」
「ふーん。で、どうするの？」
「判断保留。」
「え？」
「放っとけばきっと直るよ！」
「いや直らない‥。絶対直らない。」

「私がこの世でいちばん大好きなまんが桐原いづみ先生の「ひとひら」今月もすばらしいです‥。真に至上の、天上的、奇跡的な美しさを表している、この作品にどんな言葉でもって語ればよいか、言葉の不可能性を認識させられます。‥もう大好き！ほんと好き！すごく好き！私、大好きー！」
「そ、そう‥」
「美こそが私たちのすべてであり、生を送る上での唯一つの確かな理由であり、美以外の事象はこれすべてとるに足らぬもの‥、あらゆる価値を超越している作品に巡り会えるこの世界を、見限ることなど誰にできましょうか。美こそが窮極であるべきで、またそうあるのです。‥ほんと好き！お姉ちゃん乾杯だー！」
「か、かんぱい‥？」
「美しき愛しきこの夜に！Pie Jesu Domine,dona eis requiem.Amen！」

「http://www.charamil.com/matrix/やりましたー。結果は‥http://www.charamil.com/diag/diagnose.php

表：SMART
このタイプの特徴は・・・
●基本的に『なんかえらそう』です。
●奔放で独創的。で、少しわがまま。
●ふやーっとモノを考えるのが好き。
●話好きだけど、お互い
　あまり詮索しすぎない距離が好き。

裏：ワイルド　ジェネラル　フィーリング

　基本的になんかえらそう‥」
「あはは。なんかえらそう、ダイレクトな表現ねー。」

http://retro85.blog33.fc2.com/blog-entry-558.html
「個人的には、セックスしている際の人は素顔になるからだと思います。人は日々の生活の中で見栄をはったり、体面を取り繕ったりして生きているけど、セックスのときだけはそういう仮面がつけられません。セックスと似た行為に食事がありますが、食事にはマナーという仮面が許されてますが、セックスにはどーしようもありません。セックスの最中は皆真剣な顔してて、おもしろいしね。寝台の中でのお姉ちゃんの顔といったら‥//」
「わあああっっ！！あんた何でたらめいってんのよっ！？今までのでいちばん好き勝手いっちゃってくれて！！？」
「あはは。人殺しは逆に仮面だらけで真意が掴みづらいというのが大きいんじゃないかな。個人的には規制なんてぜんぶなくなっちゃえばすごく楽しいと思います♪」
「ああ、もう‥。過剰な道徳意識が危険だというのには同意。でもあんたには憔悴のきわみ‥」

http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/illtreat/story/22mainichiF0922e085/
「もう何が何だか私にはわからない理屈、支離滅裂なので、詳細な検討は誰かほかの人がやってください。ただ気になった点、ひとつだけについて少し話します。‥言論弾圧という理念があるけど、言論の自由といってそれは何を言っても書いてもよろしいということではないと思う。倫理性、道徳性、品格のない発言には、私は不愉快になる。だから言論の自由なんて、私は、興味ない。大切なのは言論の自由でなく、自由の言論であるべきだと思います。表現の自由より、自由の表現、そこにこそ文人としての誇りが見とめられると私は信仰してます。」
「自由、か。変な言葉ね。」
「変だね。」
「変だ。」
「うん、変だ。」

「さて、暑い夏も悲しい黴もさよならで、涼しく気持いい秋が深まってきた感のする今日この頃です。秋といえば何か、魚です。魚が食べたいです。お姉ちゃん、魚ー！」
「何よ、魚って‥」
「さんまとかししゃものことだよ。」
「知ってるよ！あー、でも魚もいいかな、秋さんまか。今日はさんまにしようか。」
「やったー！大根おろしは任せてお姉ちゃん♪」
「いいけど‥、ふつうにするのよ、変なふうにしないでね。」
「大丈夫！私はいつでもまじめです。」
「そのまじめが‥、いや、ま、いいけどさ‥」
「レンタルしてきたカードキャプターさくらを鑑賞しながら大根をおろそー！カードキャプターさくらはとてもよくできた作品です。アガペーというものをこの地上に顕現させることに成功した唯一の作品なのではないでしょうか。もうケロちゃんにおまかせのイントロをきくと自然に拍手してしまいます。」
「いや、カードキャプターはどうでもいいから。」
「大根をおろすときは力まずに静かにすれば辛くならないという豆知識も私は完備！もういつスカウトが来てもおかしくありませんっ。」
「何のスカウトよ‥？」
「「あかあかと　日は難面も　あきの風」芭蕉
　夕日は赤々と照りつけるのに、吹く風には秋の気配がどことなく感じられる‥。秋～♪」
「旅愁なぐさめ兼て、ものうき秋もややいたりぬ。さすがにめにみえぬ風邪の音づれもいとどかなしげなるに、残暑猶やまざりければ―ってやつね。さんま焼けたよ。」
「死ぬほど大根おろしかけてあげるね♪」
「自分のにしなさい。」

「http://www.cbcj.catholic.jp/jpn/feature/newpope/bene_message143.htm　非常に重要な、とてもおもしろい講義だと思いますので、書いておきます。述べられているのは、存在とその起源の探求者たる存在と、現象、かな？あと実証科学が細分化、専門家して本源的なものが失われたというところも注目しなきゃかな。フッサールとか。」
「理性と神学の合致というのかしらね。超越的としての存在学、ロゴスによる復活とか？」
「神学と哲学の伝統的な見方の差異、うーん、ちがうかな。でも智慧の樹木は両方を貫いていると信じたいな。きっと、ね。」

「ショーペンハウエルの「自殺について」を読んでます。ショーペンハウエルにはどことなく東洋的、仏教的な印象を抱いていたけど、今回、その感を新たにしました。ショーペンハウエルの思想はあとのニーチェに通ずる円環的な、西洋的な直線の思考とちがう、大地的円みがあると思います。ショーペンハウエル独自の皮肉もばっちり♪読みごたえがあります。」
「岩波文庫の斉藤信治氏の訳は読みやすくていいよね。」
「そうそう！斉藤先生の麗筆によるショーペンハウエルには感歎のため息ばかり‥。美しいです。とってもおすすめ。」
「『人間の生涯とは、希望に欺かれて死のかいなにとびこむ』か。ショーペンハウエルの透徹した皮肉は、今だからこそ読むべきなのかもね。資本と広告の今だから、か。」

「お姉ちゃんお姉ちゃん、「罪と罰」ごっこやろーよ！私、ラスコーリニコフやるから、お姉ちゃんはラズーミヒンやってね！」
「‥は？」
「ラズーミヒンやだ？そっかー、そだよね。じゃあマルメラードフたのんだ！お姉ちゃんにしかできませんっ！」
「マルメラードフって酔っ払いおやじでしょ‥、やよ、そんなの。」
「もう！お姉ちゃんわがままー！じゃ、私がソーニャやるから、お姉ちゃんラスコーリニコフね。ナポレオンの論理を展開してね。」
「あー！！やめやめ！！どこの誰がドストエフスキーの「罪と罰」ごっこなんてやるの！？世界であんただけよ、こんなの提案するの！」
「うー。じゃあ、ガンダム0083ごっこでもする？私、バニング隊長やるから、お姉ちゃんはガトーね。」
「あんたぜんぜんわかってないでしょ！？どうしていきなりガンダムなの！？人の主旨を汲みとりなさい！」
「だってSEEDはいやでしょ？」
「きけっておい！」
「‥さて、このまえゼオライマーを全話視聴しました。スパロボで大体の流れは知っていたけど、あらためて観るとこれは近代科学文明に対するアンチテーゼとしての物語、とてもシンプルな構成だなという気がしました。物語は科学の究極の姿の象徴であるゼオライマーと、生命工学の人間的情愛の欠如、そこからの生命への憧憬、そういう点ではよけいなものがない単純な構成は力強いと感じました。最期のゼオライマーが爆炎に消えていくところはこの作品のすべてを表しているなと思います。」
「ストレートで気持のいい作品だったね。ゼオライマー。」
「うん。ややこしいところのない直球のメッセージは素敵だと感じました。こういったほうが私は好きだな。」

「バタイユのテクスト集「ランスの大聖堂」をいま、読んでます。バタイユの文章は、どうしてこんなに人を酔わせるのか、ほんとに不思議です。格調正しく、黒い月の裂傷から発生したような、血と星の支配者たるバタイユの世界ほど、私を酩酊させるものはないかもしれません‥」
「ニーチェ、ヘラクレイトス、ディオニュソス‥、好みを貫いているようなものだものね。」
「バタイユほどスタイルに沈潜できる人もいないと思うな。バタイユは昼間に読んじゃいけない。夜にひとりでワインの入った杯を傾けながら、革張りの肘掛椅子に深くしずんで頁を繰る‥。もうため息しか出ません。」
「ほんとは電車でも読んでるけどね。」
「あー！お姉ちゃん、雰囲気崩すのだめー！」
「あはは。でも格好つけて読むというのも生きるうえで大切だと思うよ。佳代がいってるのもバタイユだからこそなので、まんがはこうじゃいかないしね。」
「皆さんも試してみるといいかも。思った以上に楽しいよ。」
「スタイルはばかにはできません。」

　ランスの大聖堂 / ジョルジュ バタイユ

「プロフィールのところにweb拍手を新しくつけました。感想や意見を気軽に送ってください♪」
「コメントしづらいエントリばかりだからね‥」
「あー！」

「すっかり〈かよなじゃ〉スタイルが定着した感のある九月中旬です。思えば、blogをはじめて三ヶ月がすぎようとするころ、すっかりエントリを書き記すことに倦んでしまい、惰性でほそぼそとつづけていたある日、缶ビール片手にパソコンに向かって無心で綴ったのが、姉妹の愛溢るる対話形式だったのです‥」
「ビールで酔っぱらって書いたのがはじまりだったの！！？道理でねじが一本どころか二、三本吹き飛んだようなエントリだったのね！？」
「ブログはねー、しらふじゃ書けないのー。」
「どこのジャンキー詩人よ、ボードレールとかトラークルとか、」
「だからblog書くときはできるだけアルコール入ってないとだめ。」
「最低だ！今、まちがいなく最低な発言したよあんた！」
「お姉ちゃんだけしらふなんてだめー！‥あーそっか、お姉ちゃんはノンアルコールだから的確なつっこみができてたんだね。納得。」
「あんたはいつも酔っぱらってたのか！？いや、もしかして辻褄があっちゃう！？」
「さて、そんなよもや話はおいといて、すっかり秋らしいすごしやすい気候になりました。」
「おいといていいの今の話！？何だかもっと言及しなきゃならない気がするんだけど‥！」
「もー。そんな気にしてるとお姉ちゃん太るよ。」
「な‥！？そろそろ本気で絶望しそう！」
「私は秋から夏のだんだん涼しくなっていく季節の変り目が好きで、秋のしずかな夜をみると、頬に触れる冷たい空気を感じると、どこか寂しげな情緒が胸を満たします。秋はどの時分も気持いいけれど、真っ赤な夕日を眺める幸運に恵まれたなら、秋は夕ぐれなんて呟きたくなります。」
「‥さいしょからまともな話題すればいいのに、もう。」
「秋といえば、夜の散歩です。兼好法師のころから連綿とつづく日本人の大事な楽しみ！さあお姉ちゃん、とっておきのワインあけて月を愛でよう。」
「あ、風流ねー。‥って、こう酒につながるのか‥」
「そうです♪
「東にし　あはれさひとつ　秋の風」芭蕉
　楽しく生きる知恵～♪」
「はいはい、オッケー。でも夜出歩くと警察に見つかるから皆気をつけて。」
「プラトンパンチだ♪」
「絶対だめ。」

「ししゃもが食べたい‥」
「唐突ね、うどん作ればそれでいいんじゃないの？」
「お姉ちゃん、私をなんだと思ってるの！うどんばかりで大丈夫なわけないじゃない！」
「いや、あんたがそれ言う！？」
「ししゃもをばかにするなー！」
「してないよ！」
「‥ししゃも、ししゃも‥そういえば吉野家の牛丼が少しだけ復活したらしいね。」
「ほんと唐突ね‥、佳代、牛丼好きだっけ？」
「それが吉野家に行くようになった頃にはすでに豚丼が主だったし、さいきん吉野家行ってないし‥、正直、牛丼に何の拘りもありません。お姉ちゃんは牛丼好き？」
「まあ、嫌いじゃない。でも牛丼ぐらいすぐ作れるしなぁ‥」
「え！お姉ちゃん、じゃあ作って！」
「うどんに盛るの？」
「もー！なんでうどんなの！そんなにうどんが好きですか！好きなんだね、そーなんだね！」
「いや、あんたのこと思った上での発言だったんだけど‥」
「プラトンパンチをくらへー！」
「ちょ‥！？もう、普通にうどん‥じゃなくて、牛丼つくろっか。」
「うん！じゃ、お米買ってくるね。」
「買ってなかったか！？」

「今日はひたすらスパロボの話します。誰がなんといってもスパロボしか話さないんだー！」
「ちょっと、何よそれ‥。何かあったの？」
「問題ないよ。」
「ほんとかよ。」
「‥今は懐かしいスパロボＦについて語りたいです。スパロボＦ、Ｆ完結編。それはα以前の最大規模のスパロボ。私の思い入れもひとしおです。」
「あー、アニメがしょぼいのよね。」
「プラトンパンチだー！」
「う‥！な、なにするの！？」
「たしかにアニメカットとかぜんぜんできないけど、Ｆの魅力は一塵とも減じることはないもん！むしろその億劫さが最大のスパイス！」
「わけわからないって！」
「Ｆのとっても素敵なところは規模があまりに大きすぎるために、ゲームバランスが崩壊して狂って収拾がつかなくなって、それでも最期まで突っ走っているところを措いてほかにありません。嗚呼、今も思い出す、出撃前は余裕たたきながらもいざ戦場に立つと雑魚ＭＳの一撃で紙のように吹き飛ぶマジンガーやダイターン３、ファンネルを撃っても撃ってもあっさりと切り払われる悲劇のニュータイプたち、そもそも出撃さえ見果てぬ夢のオールドタイプたち、運動性の絶望的な低さのために日の目を見ることの適わぬガンダムＷの面々‥、理不尽と不公平と不条理が支配したスパロボＦこそ最も愉快なゲームでした。」
「ほんとかよ‥」
「おすすめユニット～。まずマジンガーＺはうそみたいに弱いです。あきらめましょう。マジンカイザーは強いけど、出番はそんなにない。真ゲッターは強いです。でもボスにストナーサンシャインしか出番はありません。ダンクーガは断空剣だけ、たまに斬ってもらえるだけでうれしいです。ゴーショーグンも微妙です。装甲が紙のようです。ニュータイプは強いです。というかニュータイプに頼らないと一面もクリアできません。いちおしはガンダムF91。ヴェスバーは切り払われない！みんなで乗ろう。Gガンダムは使えます。気合です。エヴァはATフィールドはだめです。どこかのバリアーのように割れます。割れて割れてかわいそうなくらいです。その代わりに回避率がおかしいくらいに高くなります。後半ではファンネルとかビームライフルの嵐を避けながらナイフを突き立てる初号機が拝めます。サイバスターはサイフラッシュ使えばいいです。ガンバスターはフル改造すれば炎になります。キックかコレダーどっちでも強くすれば一撃で誰でも粉砕できます。イデオンは使い方が難しいです。イデ～。」
「コンバトラーとかダイターンは？」
「ザムジードよりは強いよ。がんばって！」
「あんたザムジード使ってなかったっけ‥？」
「がんばってもがんばってもハンブラビに撃墜されるのはたまりませんっ！あー、αとかってほんと親切だよね。」
「あー‥お気の毒に。」
「腹いせに私のプルとシーブックはレベル９９だったもん！‥彼女たちにかかれば、ヴァルシオンなんてアンデルセンの前の異教徒のようなものです。」
「パーフェクトだ、ウォルター。」
「感謝の極み。」

「紳士同盟を読み返してます。‥有菜先生の描かれるキャラはどうしてこんなに色香があるのでしょう。品と艶を相剋しあうことなく最上の印象を生み出す、感歎するほかない美しさです。とくに手、指先の描き方がもう、どうしようもないほど素敵！美しい！大好き！」
「あー、そですか。」
「私も絵が描けたらな‥。絵の技術だけはどうしてもないんだよね‥。お姉ちゃんも下手だし。」
「よけいなお世話！」
「でも絵さえ描けたら、私、完璧かも！」
「自重しろ、おい。」