ひとひらアンコール 第4幕「海辺ノスタルジア」
2009/11/26/Thu
「今回は卒業したたまちゃんたちの話。進路がそれぞれ別れることになった三人の態度をしっとりとした筆致で描かれてるので、あんまり本編についていうことはないかなとは思うのだけど、ただ少しゆくりなく、この前人と話したあることを思い出した。それはなんのことかなっていうと、端的にいえば、むかしをなつかしむことというのはどういった感じなのだろうといった話題であって、相手はまだ二十歳前で過去を美化する心理というのは実感としてないんですよね、だからネットでよく見かける思い出補正っていうのもよくわかんないんですよね、とかいってた。私はそれを聞いて、でも過去をなつかしむといったこと自体は、どんな年齢に限らずあるものだし、たとえば私が高校生だったとき、再会した同級生は今通ってる学校がつまらなくて、中学のほうがずっとよかったってこぼしてばかりだったよとか、そんなことを私は答えた。その意味では思い出とは人のあり方そのものであるし、思い出が過去であり、過去が人が語ることでしかあらわれないものである以上‥つまり客観的な過去なんて言葉は矛盾でしかない‥過去を美しく修飾し、そしてその過去に憧憬することは、至ってふつうの感性なのじゃないかなって、そう思う。‥私はうまくないお酒をちょっぴり舐めて、そんなことをいっていた。」
「過去の記憶の蓄積が人の存在そのものではある、か。ま、事実そのとおりではてさてといった話なのでしょうけど、しかし何かこう思い出というか、昔の人間関係といったものは、現在を生きるうえではいろいろ難しい問題を秘めた、なかなか扱いにくい代物ともいえるかしれないかしらね。実際、人が語る過去というものは美化される傾向にはあるのでしょうし、過去はそのときそれを生きた我が身からすれば、そんなにいいものでもなかったはずなのでしょうけど、ま、そうは思えないのが歳月の経過というものなのかしら。思い出というものは、微妙なものね。」
「同窓会なんかもその意味ではいろいろ複雑な感情の去来する場であるともいえるのかもしれないね‥そういえばすごく個人的なことだけど、ここ数年はそういうとこにとんと私出てない。予定があわないというのもあるけれど、それ以上に私のなかの心の整理が、つまりある時期の過去の整理ができてないということも無意識のうちに影響してるのかもしれない。ただこの問題はあまりに私的なものだから、ブログに書くには不適当にすぎるかな‥。‥文学者のエッセイなどを見てみると、同窓会にまめに出席する人とそうでない人に分類できる。たぶんこれはほかの一般の人でもそうだといえることだろうし、私自身は過去にあまり拘泥せず、生きてくほうがいいのでないかなって思いもけっこうある。‥ただ、さりとて、過去をどう考えるか、捉えるかはむずかしい。人は青春の延長線上に生きてるわけではないのだから。」
「青春が連続する道理もない、か。そしてそういった意味で人々を、かつての同級生なんかを眺めるのは、なかなかどうして、意味深で暗くまた一言には表しきれない思いを抱かざるをえなくはなるのでしょう。そしてそういった成行というものは、ある面過去の美しさの否定につながる側面もあるし、そういったことから架空の記憶を求め、アニメなどの文化の果すべき重要な役割があるともいえるのかもしれない。‥ま、はてさてね。あまり深みに入るのに躊躇する領域かしら、この話題は。ここらへんで、及び腰に、逃げておくことにしましょうか。」
「過去の記憶の蓄積が人の存在そのものではある、か。ま、事実そのとおりではてさてといった話なのでしょうけど、しかし何かこう思い出というか、昔の人間関係といったものは、現在を生きるうえではいろいろ難しい問題を秘めた、なかなか扱いにくい代物ともいえるかしれないかしらね。実際、人が語る過去というものは美化される傾向にはあるのでしょうし、過去はそのときそれを生きた我が身からすれば、そんなにいいものでもなかったはずなのでしょうけど、ま、そうは思えないのが歳月の経過というものなのかしら。思い出というものは、微妙なものね。」
「同窓会なんかもその意味ではいろいろ複雑な感情の去来する場であるともいえるのかもしれないね‥そういえばすごく個人的なことだけど、ここ数年はそういうとこにとんと私出てない。予定があわないというのもあるけれど、それ以上に私のなかの心の整理が、つまりある時期の過去の整理ができてないということも無意識のうちに影響してるのかもしれない。ただこの問題はあまりに私的なものだから、ブログに書くには不適当にすぎるかな‥。‥文学者のエッセイなどを見てみると、同窓会にまめに出席する人とそうでない人に分類できる。たぶんこれはほかの一般の人でもそうだといえることだろうし、私自身は過去にあまり拘泥せず、生きてくほうがいいのでないかなって思いもけっこうある。‥ただ、さりとて、過去をどう考えるか、捉えるかはむずかしい。人は青春の延長線上に生きてるわけではないのだから。」
「青春が連続する道理もない、か。そしてそういった意味で人々を、かつての同級生なんかを眺めるのは、なかなかどうして、意味深で暗くまた一言には表しきれない思いを抱かざるをえなくはなるのでしょう。そしてそういった成行というものは、ある面過去の美しさの否定につながる側面もあるし、そういったことから架空の記憶を求め、アニメなどの文化の果すべき重要な役割があるともいえるのかもしれない。‥ま、はてさてね。あまり深みに入るのに躊躇する領域かしら、この話題は。ここらへんで、及び腰に、逃げておくことにしましょうか。」