乃木坂春香の秘密 第5話「そんなに見られますと…」
2008/08/09/Sat
「へー。乃木坂さんってピアノやってるの。それで世界的コンクールで優勝だなんてちょっとこっち方面の話したくなっちゃうけど(→中村紘子「ピアニストという蛮族がいる」)、あんまり本作と関係なくなっちゃうので割愛。あくまで、アクセントとしてだものね。お嬢さまはピアノやるものということかな。」
「ピアノほど反社会的な才能もないという話? はてさて、それはあまりにアニメとは関係ない話題になるでしょうね。頭痛くなるのはご免よ。」
「それもそだから。‥今回は、天宮さんという人が転校してくるお話で、それと水泳大会のエピソード。何度も偶然に出会う関係の綾瀬さんに、天宮さんはそれってやっぱり何かあるかもって、運命的なことを匂わせちゃうけど、でもたしかに人と人との出会いは運命というのはあるかなとは思うかな。出会いというのは基本的に自分の意志でなんとかできるものでないし、それはただ訪れるという意味において、たいていの人は自分に起こる出来事に運命の予兆を認めてくものかなと思う。それはつまり避けられない逃げられないという意味でもあって、人の意識は、人生のそういう徴にある巨大な因果にからめ取られた自己という構図を、夢想しちゃうものではある。ただ、そういった運命が無意識として前提にあるとしても、人の自由となる意識はその無意識にかんたんに順応するでもなくて、どこか微妙な齟齬‥そしてひいては葛藤をあらわすことになる。邂逅というのは、だから、わからないものかな。なんで私がこんなとこにいるのだろ、みたいな状況もよくあるし。そして生きてくという人間の種としての生存は、ときに恋愛のもたらす依存関係を是としてる節もあって、恋愛はともすれば性欲に墜する危険性を、常に裡に自明として孕んでる。たぶんその性欲と本能の網の目の過程から、個別的な愛を得るということが、人間の精神性という語によって、古来から語られてきた尊厳であるのかなって思う。でも、その愛を得る前に性のもたらす快楽は、ある種の空しさをときに人に与えてしまうことさえあるかな。それが意味するのはたぶん‥」
「またのっけから暴走状態のエントリね。少しオーバーヒート気味かしら?」
「さいきん暑いからかな。あーうー‥。たぶん性の空しさは個々人の闇となるのであって、その闇は必然的に人に血を流さす。逆にいえば、その闇を引き受けられるならこわいことだけど、生きてられる。あるいはその呪縛にからめ取られるなら、その結末は「人間失格」だろな、あるいは高等遊民だろな、と思う。性のふるう血に塗れたなら、そしてそれでも生きようとするなら、性はその個人にある種の宿命をさえ要求するのかも。それがつまり‥」
「吉行淳之介やサド侯爵あたりというの? ただ吉行もサドも女性に骨の髄まで呪われた人生だったのでしょうけど、その帰結する全体像は絶妙な差異を示しているのよね。おそらくサドのほうが凡庸で、吉行は天才だったのでしょうね。」
「それは、感じるかな。‥サドは理論家で、あったんだよね。だからその性の楽園はユートピア風味になってしまうのであって、どしても現実感とはどこか空理しちゃう。それに対して吉行は、実地に挑んだ性的現実をもとに小説を書いたのであって、その現実感を吉行はどこまでも要請しちゃう人だった。‥お姉ちゃん、吉行のもつ闇とサドのもつ闇の差異は、もしかしたらその家族観にあったのかなって思わない? たぶん、性の問題は家族の問題に帰着する。だから太宰曰く、」
「家族は諸悪の根源である、か。はてさてね。‥ところで、乃木坂本論の話からは大分遠い話題を問題にしてる気がするけれど。」
「美夏ちゃんかわいくてよかった! あはは。この子がいちばんかわいいかもかな。オタク趣味のお嬢さまって設定は、ほとんど意味を奏さなくなってる気がするけど、でもけっこうおもしろいからよろしです。次回もそれなり期待。ということで、このエントリおしまい!」
「性の問題絡めるとこれだから。ま、人間にとって軽い話題ではないことはたしかなのでしょうけど。本当、はてさてというものよ。与太に与太を重ねたエントリかしら、これ。」
「ピアノほど反社会的な才能もないという話? はてさて、それはあまりにアニメとは関係ない話題になるでしょうね。頭痛くなるのはご免よ。」
「それもそだから。‥今回は、天宮さんという人が転校してくるお話で、それと水泳大会のエピソード。何度も偶然に出会う関係の綾瀬さんに、天宮さんはそれってやっぱり何かあるかもって、運命的なことを匂わせちゃうけど、でもたしかに人と人との出会いは運命というのはあるかなとは思うかな。出会いというのは基本的に自分の意志でなんとかできるものでないし、それはただ訪れるという意味において、たいていの人は自分に起こる出来事に運命の予兆を認めてくものかなと思う。それはつまり避けられない逃げられないという意味でもあって、人の意識は、人生のそういう徴にある巨大な因果にからめ取られた自己という構図を、夢想しちゃうものではある。ただ、そういった運命が無意識として前提にあるとしても、人の自由となる意識はその無意識にかんたんに順応するでもなくて、どこか微妙な齟齬‥そしてひいては葛藤をあらわすことになる。邂逅というのは、だから、わからないものかな。なんで私がこんなとこにいるのだろ、みたいな状況もよくあるし。そして生きてくという人間の種としての生存は、ときに恋愛のもたらす依存関係を是としてる節もあって、恋愛はともすれば性欲に墜する危険性を、常に裡に自明として孕んでる。たぶんその性欲と本能の網の目の過程から、個別的な愛を得るということが、人間の精神性という語によって、古来から語られてきた尊厳であるのかなって思う。でも、その愛を得る前に性のもたらす快楽は、ある種の空しさをときに人に与えてしまうことさえあるかな。それが意味するのはたぶん‥」
「またのっけから暴走状態のエントリね。少しオーバーヒート気味かしら?」
「さいきん暑いからかな。あーうー‥。たぶん性の空しさは個々人の闇となるのであって、その闇は必然的に人に血を流さす。逆にいえば、その闇を引き受けられるならこわいことだけど、生きてられる。あるいはその呪縛にからめ取られるなら、その結末は「人間失格」だろな、あるいは高等遊民だろな、と思う。性のふるう血に塗れたなら、そしてそれでも生きようとするなら、性はその個人にある種の宿命をさえ要求するのかも。それがつまり‥」
「吉行淳之介やサド侯爵あたりというの? ただ吉行もサドも女性に骨の髄まで呪われた人生だったのでしょうけど、その帰結する全体像は絶妙な差異を示しているのよね。おそらくサドのほうが凡庸で、吉行は天才だったのでしょうね。」
「それは、感じるかな。‥サドは理論家で、あったんだよね。だからその性の楽園はユートピア風味になってしまうのであって、どしても現実感とはどこか空理しちゃう。それに対して吉行は、実地に挑んだ性的現実をもとに小説を書いたのであって、その現実感を吉行はどこまでも要請しちゃう人だった。‥お姉ちゃん、吉行のもつ闇とサドのもつ闇の差異は、もしかしたらその家族観にあったのかなって思わない? たぶん、性の問題は家族の問題に帰着する。だから太宰曰く、」
「家族は諸悪の根源である、か。はてさてね。‥ところで、乃木坂本論の話からは大分遠い話題を問題にしてる気がするけれど。」
「美夏ちゃんかわいくてよかった! あはは。この子がいちばんかわいいかもかな。オタク趣味のお嬢さまって設定は、ほとんど意味を奏さなくなってる気がするけど、でもけっこうおもしろいからよろしです。次回もそれなり期待。ということで、このエントリおしまい!」
「性の問題絡めるとこれだから。ま、人間にとって軽い話題ではないことはたしかなのでしょうけど。本当、はてさてというものよ。与太に与太を重ねたエントリかしら、これ。」