竹宮ゆゆこ「とらドラ8!」
2008/08/09/Sat
「最低。ばかだばかだとは思ってたけど、ここまで愚図だとは思ってなかったかな。もうだめ。留保なし。さよなら。私は竜児に見切りをつけた。この人は最低だなって思う。大河にクリスマス、あそこまでのことをされたのに、この人にあるのは我、我、我、どこまでいっても我欲だけ。みえているのは悶々としてる自分だけ。それで自分の憂鬱に浸って、おれってかわいそうだなーってみずからの不幸に酔っちゃってるだけ。だれの言葉も、亜美さんの訴えもみのりんの気持も大河の愛情も届かない。ずっとずっと、本編一貫して自分の事情にかまってるだけ。自己愛に酔っちゃってるだけ。そんなじゃいけないじゃない。それがよくないよって亜美さんはああまでいってるのに。それなのに、いつまで経っても、我執しか、自分の感情しか問題にしてない。だめだめ。最低。こんなのといっしょになったら、不幸になっちゃうよ。とかいっちゃうと、たぶん私いい過ぎだけど。でも今回は、あえて辛口暴言でいこかな。」
「のっけから悪口全開ね。ま、竜児が愚かだというのはわかっていたことだけれど。」
「ああまで人の気持に気づかないというのは、鈍感というより怠惰なだけ。無頓着な、だけじゃない。いつもぜんぜん他人のことを問題にしないで、自分のことばかり気に病んでる。彼は、他者というのに、ほんとに関心がないのかなって気までする。ねえ、彼はよく顔が怖がられるから今まであんまり他人とコミュニケーションできてこなかったっていうけれど、そんなの嘘だって少しなりでも世間を見たら、わかるじゃない。コミュニケーション下手だったのは、顔のせいでなくて、彼の他者へ向う姿勢のせい。その自己自身の感情に気楽に安住しちゃって、それで安穏としてるお気楽さのせい。今回、彼のしてることはひどすぎる。大河にも、亜美さんにも。そしてそれはみのりんにもいえるけど、みのりんは竜児に比べて自己満足がつよすぎる。ぜんぜん竜児のこと、フレてないじゃない。一度拒絶したのだから、さいごまで拒絶しなきゃいけないよ。それができないなら、プラトンパンチをくらへーだ。さいしょからてきとうに誤魔化すでない。愛というのは、性というのは、そんないい加減にしていいものでない。好きといわれたら、相手はあなたのこと好きなんだよ。ほんとに、血の出るくらい、好きなんだよ。その想いを軽んじるな。ふざけるな。大河と亜美さんが、これじゃ不幸じゃない。すごくすごく、ひどいじゃない。竜児もみのりんも、自己憐憫に酔っちゃってるだけ。そんなのはゆるさない。私はゆるさない。そんな態度を、私はけして、認めるわけにいかない。人の気持を、自分を正当化することに、使うんじゃない。それはいちばん最低なふるまいだって、私は信じるほどに、馬鹿でありつづける。愚かな大河と亜美さんの側に立つくらいに、人の心を大切にする思想をとる。そうでないなら、それを軽んじるのが利巧だというのなら、そんなのは初めから私には知ったことじゃない。もう、竜児なんて、知らない。」
「はてさて。佳代の逆鱗に触れたとかいうのかしらね、これ。ま、北村然り、どうも自分に酔っちゃうことが多い人がこの作品には事欠かないのよね。据え膳食わないのは自己満足よ。その意味がわからないなら、ま、そういうことかしらというだけでしょうね。あまり気分いい話でなくなってきたことね、この作品。」
竹宮ゆゆこ「とらドラ8!」
→「とらドラ!」にみる男の奇妙な性心理
→性の意味
「のっけから悪口全開ね。ま、竜児が愚かだというのはわかっていたことだけれど。」
「ああまで人の気持に気づかないというのは、鈍感というより怠惰なだけ。無頓着な、だけじゃない。いつもぜんぜん他人のことを問題にしないで、自分のことばかり気に病んでる。彼は、他者というのに、ほんとに関心がないのかなって気までする。ねえ、彼はよく顔が怖がられるから今まであんまり他人とコミュニケーションできてこなかったっていうけれど、そんなの嘘だって少しなりでも世間を見たら、わかるじゃない。コミュニケーション下手だったのは、顔のせいでなくて、彼の他者へ向う姿勢のせい。その自己自身の感情に気楽に安住しちゃって、それで安穏としてるお気楽さのせい。今回、彼のしてることはひどすぎる。大河にも、亜美さんにも。そしてそれはみのりんにもいえるけど、みのりんは竜児に比べて自己満足がつよすぎる。ぜんぜん竜児のこと、フレてないじゃない。一度拒絶したのだから、さいごまで拒絶しなきゃいけないよ。それができないなら、プラトンパンチをくらへーだ。さいしょからてきとうに誤魔化すでない。愛というのは、性というのは、そんないい加減にしていいものでない。好きといわれたら、相手はあなたのこと好きなんだよ。ほんとに、血の出るくらい、好きなんだよ。その想いを軽んじるな。ふざけるな。大河と亜美さんが、これじゃ不幸じゃない。すごくすごく、ひどいじゃない。竜児もみのりんも、自己憐憫に酔っちゃってるだけ。そんなのはゆるさない。私はゆるさない。そんな態度を、私はけして、認めるわけにいかない。人の気持を、自分を正当化することに、使うんじゃない。それはいちばん最低なふるまいだって、私は信じるほどに、馬鹿でありつづける。愚かな大河と亜美さんの側に立つくらいに、人の心を大切にする思想をとる。そうでないなら、それを軽んじるのが利巧だというのなら、そんなのは初めから私には知ったことじゃない。もう、竜児なんて、知らない。」
「はてさて。佳代の逆鱗に触れたとかいうのかしらね、これ。ま、北村然り、どうも自分に酔っちゃうことが多い人がこの作品には事欠かないのよね。据え膳食わないのは自己満足よ。その意味がわからないなら、ま、そういうことかしらというだけでしょうね。あまり気分いい話でなくなってきたことね、この作品。」
竹宮ゆゆこ「とらドラ8!」
→「とらドラ!」にみる男の奇妙な性心理
→性の意味