とらドラ! 第7話「プールびらき」
2008/11/14/Fri
「このエピソードはとても重要(→竹宮ゆゆこ「とらドラ3!」)。なのだけど、でもアニメ単体で今回のお話だけをみてもその部分はちょっとわかりづらいかなって気はするかな。肝心なのは、今回、大河がしぶしぶ竜児の前に水着姿をみせたときに、竜児が罪悪感を意識しちゃうという場面であって、あのシーンを独自なしの竜児のちょっとした所作だけで終らせたのは、原作を忠実に再現することを目標のひとつとしてるこの製作者のスタンスにしては、英断だったのでないかなって気がする。亜美さんの水着を目の当りにしても感動薄くて、好きなみのりん相手にようやく食指が動くくらいの、いってみればあっさりした、べつな意味では鈍感の竜児が、大河のみに示した性的な怯え。それがこのエピソードの要諦で、そして私がこの作品への見方をあらためた契機となるキーポイントでもある。それは、性なるものへのおそれの、真率な態度。今回の話は、だからむずかしかったんだなって思う。いろいろな描き方は、可能なのだろし。」
「ある意味竜児と大河の二人の関係に、はじめて性的なファクターが入ったのが今回の話だといえるのでしょうね。それまでの二人の関係性は実に奇妙なもので、二人は互いに互いを異性とも殊更意識していなかった。ただ近所で家族のような付きあいをしているだけのことに、まったく違和感を覚えなかった。ま、この時点でいろいろおかしいし、いってみればある種不健全で歪な二人なのでしょうけど、それが明確に変化を見せはじめるターニングポイントが、大河の水着姿を見た竜児、なのでしょうね。相手が異性で、そして同年代の女子よりも脆弱な存在であることを明瞭にわかってしまった、か。はてさてね。」
「それ以前の竜児は、大河の表面的な乱暴さに戸惑わせられてたから気づけなかったといってよいのだよね。もっとも鈍感というか、他人のことに気を払うことを無自覚に欠いている彼のことだから、大河の本心がどうだとかそういうことはぜんぜん考えたことなくて、ただ大河の表層になあなあで付きあってればよかったっていうのはあるのかもかな。でもそれだけじゃいけなくなるのは、二人の距離が縮まってくなら逃れえないことであって、そしてその第一歩は、竜児に大河は性的な存在であるのだ、ということを意識させることに求められるのは必至だった。‥これはけっこうだれも指摘してこなかったことかなって思うけど、ふつう、大河くらいの女の子が、いくら親しいといったからって夜中に、男子の前で水着姿になるなんて、それはあの場で襲われても文句いえないじゃんってほどの、出来事であったんだよ。そこに気づけないのが萌え文化の、たぶんいちばんの罪業なのだと思う。ここはちょっときびしめにいっとこかな。」
「そういった性的なことにつきまとう諸々の荷厄介さを、萌えは表面で覆ってしまうこと多々ある、か。エンタメとして見た場合はそれも仕方ないのでしょうけど、しかし少し無節操にすぎるという気はたしかにするかしらね。竜児の鈍感さは、さて、竜児だけの問題でなくある世相をさえ反映しているかしれないのかしら。ま、どうでしょうね。」
→「とらドラ!」にみる男の奇妙な性心理
→性の意味
「ある意味竜児と大河の二人の関係に、はじめて性的なファクターが入ったのが今回の話だといえるのでしょうね。それまでの二人の関係性は実に奇妙なもので、二人は互いに互いを異性とも殊更意識していなかった。ただ近所で家族のような付きあいをしているだけのことに、まったく違和感を覚えなかった。ま、この時点でいろいろおかしいし、いってみればある種不健全で歪な二人なのでしょうけど、それが明確に変化を見せはじめるターニングポイントが、大河の水着姿を見た竜児、なのでしょうね。相手が異性で、そして同年代の女子よりも脆弱な存在であることを明瞭にわかってしまった、か。はてさてね。」
「それ以前の竜児は、大河の表面的な乱暴さに戸惑わせられてたから気づけなかったといってよいのだよね。もっとも鈍感というか、他人のことに気を払うことを無自覚に欠いている彼のことだから、大河の本心がどうだとかそういうことはぜんぜん考えたことなくて、ただ大河の表層になあなあで付きあってればよかったっていうのはあるのかもかな。でもそれだけじゃいけなくなるのは、二人の距離が縮まってくなら逃れえないことであって、そしてその第一歩は、竜児に大河は性的な存在であるのだ、ということを意識させることに求められるのは必至だった。‥これはけっこうだれも指摘してこなかったことかなって思うけど、ふつう、大河くらいの女の子が、いくら親しいといったからって夜中に、男子の前で水着姿になるなんて、それはあの場で襲われても文句いえないじゃんってほどの、出来事であったんだよ。そこに気づけないのが萌え文化の、たぶんいちばんの罪業なのだと思う。ここはちょっときびしめにいっとこかな。」
「そういった性的なことにつきまとう諸々の荷厄介さを、萌えは表面で覆ってしまうこと多々ある、か。エンタメとして見た場合はそれも仕方ないのでしょうけど、しかし少し無節操にすぎるという気はたしかにするかしらね。竜児の鈍感さは、さて、竜児だけの問題でなくある世相をさえ反映しているかしれないのかしら。ま、どうでしょうね。」
→「とらドラ!」にみる男の奇妙な性心理
→性の意味