CLANNAD ~AFTER STORY~ 第14話「新しい家族」
2009/01/16/Fri
「家族を持て、だものね、この作品の基本的な思想的立ち位置というのは。それが現代の、しかもこの作品の主な視聴者層たるだろうオタクたちにとって、どんな意味性があるのだろと思うし、また家族という言葉が示すところのものは世代によってそうとう異なってくるものであるから、本作のメッセージ性が実際どこまで現実的に有効であるかは、私はけっこう疑問かなとも思うかな。というのも、たぶんクラナドが説く人生の艱難辛苦を共に乗り越えてくための伴侶としての家族の姿というのは、ある意味新聞の社説に出てきてもおかしくないほど保守的な家族の理念をあらわしてるものであるけれど、でもそういった家族像‥つまり結婚と家庭と幸福が、間断なく連携してる人生のヴィジョン‥は、現実問題今の若い世代においては崩壊しちゃってるのじゃないかな。もちろんここの議論はきわめて現代的な問題としてさまざまな形で表出されてるものではあって、かんたんに概略をまとめるのは乱暴かなとも思うけど、でもこの作品のメッセージの思想的性格は私にはどこか非現実的な空論を述べてるだけのようにも思えちゃって、それがなんだか違和感をおぼえちゃう理由なのかなって思う。何か変だよね、この作品。何が変なのかな。」
「素直に画面を読みとるならば、いわんとしているものは人は大人になったら恋人をもち、ゆくゆくは結婚し、そして勤勉に働いて社会的なステータスを確固としたものにしろ、というものだとしてもそう的外れではないのでしょうね。実際、作中で描かれている朋也は学生時代は不良だの呼ばれていたけれど、もう今ではどこまでも真面目な、どこへ出しても恥ずかしくはないだろう社会人になってしまっているのだから、何か皮肉な匂いを本作に感じてもこれは穿ちすぎではないのでないかしら。しかも子どもまでできたのだし、なんだかあまりに順調で、あまりに理想的で、そしてあまりに退屈な話であることよ。べつにそれが悪いわけではないのでしょうがね。」
「むしろすごくよいこと、と、世間の人はいうかもかな。でもどこか変じゃないかなって思うのは、この物語がけっきょくエロゲっていう若い人たちの性的な充足を図るための媒体として表現された経緯があるからで、そしてまた現在放映されてるアニメも、いわゆる萌えキャラによって画面を華やかに飾ってるから、私にはこの作品の内奥のメッセージと表面にあらわれる意匠のギャップの激しさが、何か滑稽な印象で感じられてきちゃうのだろな。‥萌えっていう、表層的な性の欲望の目指すところのものが、実は内部でこんなに社会的な理想を人知れない願望として潜ませてるのが、私にはクラナドという作品の隠れた本質なのでないかなって気がする。でもここは、まだよくわからない。オタクの性欲と作品の理想主義の兼ねあいの構図が、まだ私には鮮明と見えてこない。それが少しわかるまで、私はこの作品を見つづようと思う。もうだいぶ私の気に入る内容ではなくなってはきちゃってるけど、ね。こんな退屈な話だったかな。滅菌された世界を見させられてるようで、私にはおもしろみがない。得るものが何もないなって、そんなこと思う。人の隠れた情動の揺れ動き我ない世界は、私には欺瞞だと思えるから。」
「何とはなしに子どもができてしまったことから見ても、萌えキャラという外見以上の性的な要素はとにかく除外しようとしているように見えてしまうのよね。その意味ではこの作品はサザエさんみたいなもので、性的に清浄された主人公が刺激はないけれど平和でおそらく幸福だと思われる生活を営んでいくのが基調なのでしょう。若い割に朋也はなんともおとなしいかしらとも思えるけれど、こういう生活も未だにある理想的世界を描いているであろうことは、この作品の一定の支持を思えば明らかなのでしょうね。ま、いろいろ奇妙かしら。とりあえずはどう展開していくかを注目してみるとしましょうか。」
「素直に画面を読みとるならば、いわんとしているものは人は大人になったら恋人をもち、ゆくゆくは結婚し、そして勤勉に働いて社会的なステータスを確固としたものにしろ、というものだとしてもそう的外れではないのでしょうね。実際、作中で描かれている朋也は学生時代は不良だの呼ばれていたけれど、もう今ではどこまでも真面目な、どこへ出しても恥ずかしくはないだろう社会人になってしまっているのだから、何か皮肉な匂いを本作に感じてもこれは穿ちすぎではないのでないかしら。しかも子どもまでできたのだし、なんだかあまりに順調で、あまりに理想的で、そしてあまりに退屈な話であることよ。べつにそれが悪いわけではないのでしょうがね。」
「むしろすごくよいこと、と、世間の人はいうかもかな。でもどこか変じゃないかなって思うのは、この物語がけっきょくエロゲっていう若い人たちの性的な充足を図るための媒体として表現された経緯があるからで、そしてまた現在放映されてるアニメも、いわゆる萌えキャラによって画面を華やかに飾ってるから、私にはこの作品の内奥のメッセージと表面にあらわれる意匠のギャップの激しさが、何か滑稽な印象で感じられてきちゃうのだろな。‥萌えっていう、表層的な性の欲望の目指すところのものが、実は内部でこんなに社会的な理想を人知れない願望として潜ませてるのが、私にはクラナドという作品の隠れた本質なのでないかなって気がする。でもここは、まだよくわからない。オタクの性欲と作品の理想主義の兼ねあいの構図が、まだ私には鮮明と見えてこない。それが少しわかるまで、私はこの作品を見つづようと思う。もうだいぶ私の気に入る内容ではなくなってはきちゃってるけど、ね。こんな退屈な話だったかな。滅菌された世界を見させられてるようで、私にはおもしろみがない。得るものが何もないなって、そんなこと思う。人の隠れた情動の揺れ動き我ない世界は、私には欺瞞だと思えるから。」
「何とはなしに子どもができてしまったことから見ても、萌えキャラという外見以上の性的な要素はとにかく除外しようとしているように見えてしまうのよね。その意味ではこの作品はサザエさんみたいなもので、性的に清浄された主人公が刺激はないけれど平和でおそらく幸福だと思われる生活を営んでいくのが基調なのでしょう。若い割に朋也はなんともおとなしいかしらとも思えるけれど、こういう生活も未だにある理想的世界を描いているであろうことは、この作品の一定の支持を思えば明らかなのでしょうね。ま、いろいろ奇妙かしら。とりあえずはどう展開していくかを注目してみるとしましょうか。」