2009/02/13/Fri
「今の私はこの物語に否定的な気持がつよくて、今回のお話は率直にいっちゃうとまるで私には受けつけられない内容だったかなって気がするかな。というのも、何が苦手だったかなっていえばそれはとりもなおさず汐の描写であって、泣いていいのはトイレのなかでだとかお父さんの胸でだけだとか、そういったとこ、私はぜんぜん信じられないくらい過酷な描写だって思っちゃう。何かな、たぶん早苗さんは朋也のことを思って泣いていいのはトイレと父親の前でだけとかいったのかもだけど、そういうこといえちゃうのは少し残酷じゃないって私は考える。そしてまた子どもである汐がそのことを‥つまり早苗さんにそうしつけられて、そして今は父親が目の前にいて、だからあなたの前で泣いていいですかって尋ねるその行動、心理‥朋也にいっちゃう場面は、私には汐の果てしないほどの黒い孤独を思わせられて、何か言葉が出なくなっちゃった。子どもが、ただの子どもが泣き場所を考えちゃうなんて、そんなのおかしいじゃない。泣きたいときに泣くのが子どもじゃない。どこで泣くかなんてそんなことを考えるような子どもは、私は、かわいそうだなって思う。その意味で私は早苗さんの教育に賛成するものでないかな。」
「父親との仲を復縁させたいという意図からの早苗さんのしつけだということは理解できるのだけれど、しかし実際、数年にわたって一緒に暮してきた子どもがこのようなことを考えて口にしてしまったなら、何か絶望しそうね、身の周りにいる大人としては。もちろん朋也のことを考えれば、早苗さんにしろ秋生にしろ汐に対しては慎重にはならざるをえなかったのでしょうけど、しかし母親のことを聞いても教えてもくれず、父親に向う情を押しこめられてきた汐の心中は如何にと問うなら、はてさて、ちょっと辛いでしょうね。あの汐のおずおずとした態度は、この子の寂しさをうかがわせるものよ。」
「もっとべたべたしたらよかったのに、かな。‥こういっちゃうのは何かなだけど、私が早苗さんたちの立場にいたら朋也を見限って、それでもう完全に汐には父親のことを問題としないような環境において、彼女を放っておくかもしれないかな。もちろんこういった仮定の話はほとんど無意味なものだけど、でもこういった汐みたいな子がいたら、何かもっといっしょに遊んでられるような、そんなふるまいを私はしなきゃって思うし、それはたぶん彼女の孤独を開けさせる機会の萌芽になるのじゃないかなって、そういったことを考える。たぶん秋生さんの存在はそういった意味あいがあったのだろうって思うし、そして早苗さんだって、汐のために尽してきたであろうことは疑えない。‥ただ、なんだろ、私は今回の話は、認めたくないって気持がある。感動するとかそういうのはべつにして、汐の心中は他者が覗けないくらい重いものがこれまであって、そしてそれは彼女のこれからの人生にもある影を落すことになるだろうかなって、そんなこと思う。子どものときの些細な傷というのは、だって、人の命運を左右するほどのものであろうことは、記憶を遡及すれば、わかることであろうから。」
「子ども時代というのはほとんどの人は成長するにつれ忘れてしまうのでしょうけど、しかし幼年期のほんのちょっとした体験が、長い目で見た場合決して軽くない影響を与えてしまう場合もあるのだから、人の一生というものは、さて、わからないものよね。もちろん周囲の大人はだから子どもには神経質に接せねばならないなんてそんなことはいうつもりは毛頭ないでしょうけど、しかし何かしら、子どもにもずしんと来るような孤独の感覚はあるものよ。いじめだの病気だの家族内の疎外だの、そんなのがあると孤独は恐ろしく明瞭に意識されるものよ。その意味で、子どもも大人も個人という点では何も変哲はないのでしょうね。それがいいことかどうかはわからないけれど、ま、嘆息するほかないものよ。はてさてね。」
うーん、何でしょう。
私はクラナドファンではないのですが、この文章は読んでいて何となく不快になりますね。
嫌いな番組なら、別に無理に視聴して、無理に記事にする必要はないのでは?
2009-02-15 日 01:09:03 /URL /kent /
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>kentさん
どうも。
このエントリを読まれて私がクラナドを嫌いだと思われたなら、たぶんそれは誤解ですよ。
好きだからといって私はその作品を全面的に肯定するわけでもないし、ただ単に追従するばかりであるならそれは作品の感想をする意味はないと思ってるのです。
2009-02-15 日 17:27:26 /
URL /石田麦 /
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早苗さんを擁護してみた
こんにちははじめまして
私はアニメの風子編で号泣して、そんでゲームをやって、部分的にはその良点を認めつつも、全体的には否定的な見解を持っているものです。
にもかかわらず、今回の早苗さんに関する擁護を試みたいと思います。
(実はこの回も期せずしてもらい泣きしてしまいましたが。。。)
だらだら書くと長くまとまりがなくなりそうなんで箇条書きにて失礼します。
1)朋也を見限らない件
これは渚の演劇部発表編でも分かる通り古河家では『家族』という言葉が大変重要な意味を持っていて
一度、『家族』として受け入れた朋也を見限る事は渚への裏切りであり、
(無論、死者よりも生者を優先すべきだが)親としてどうしても出来なかった。
陳腐ではあっても『家族は決して見捨てない』というのは普遍的なテーマだと思う。
2)泣き場所の限定
1の理由から朋也に『父親』という家族としての役目を与え続けなければならないが、
汐にとっても疎遠で自分を避けている(=嫌っている)父親など必要ないと考えるはずだ。
つまりこれは『父親』という役割を汐に認識させる為の装置としての苦肉の策ではないか。
あとは早苗さんのエゴも多少あるかと思う。
当然自信にも同じ戒めを課しているはずで、
にもかかわらず汐を目前で泣かれると自分の意志が揺らいでしまうのではないかという恐れ。
3)渚の事を語らない件
これは早苗さんの逃げだと思う。つまり朋也から語らせるというより自分からは語れない。
いや、どういう形にしろどう伝えるべきか答えを見いだせなかったではないだろうか。
一番恐れているのは、汐が自分の所為で母親が死に、そのために父親が自分を嫌っているいう結論を持ってしまうこと。
どんな取り繕った嘘をついても朋也を『父親』として会わせている以上、
その父親が汐を嫌っていると言う認識を汐が持つ事を防ぐことは出来ない。
客観的な事実をあげればこの結論に至る可能性は極めて高く、これは絶対に防がなければならない。
果たしてこれを解決する唯一のモノは結局のところ朋也の汐に対する愛しか無く、
そして朋也を救えるのは結局のところ汐でしかない結論に至ったのではないだろうか。
一番単純なのは、おっしゃる通り朋也を見捨てて、秋生と二人でおもっきし愛情を降り注いでやることだと思います。
しかし朋也を見限らないことを選択をした事でその方策は無限大に広がってしまった。
早苗さんがとった方針が正しいとは言い切れないが、逆に何が正しいかは誰にもわからない。
間違いないのは家族は絶対に守り抜かなければならないという意志だけが彼女を支えているのではないでしょうか。
読み返してみれば穴だらけな考証で、また駄文お許しください。
実は汐に対して過酷すぎると言う点には大変共感してます。
それについては石田麦さんがどこまでこの原作シナリオを知っているか分かりませんのでここでは割愛します。
2009-02-17 火 00:14:27 /URL /昼下がりのジョージ /
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>昼下がりのジョージさん
どうも。
原作はプレイしてますので、ネタバレはお気になさらずに。
それで、なんというか私は汐みたいな子どもは遊園地でも連れてってアイスでも食わせてほかの子どもと遊ばせてたりすればいいんじゃないかな、とか思うんですよ。
私が早苗さんの立場だったら今回の話のような細工は弄さないな、とか思うんですよ。
それと私は、家族がいるから愛があるというわけでもないし、愛があればそれでよいとも思えないんですよ。
太宰が「家族は諸悪の根源」というのもすごくよくわかるし、吉行が「子どもは育てようとせず放っておいたらいい」っていうのも共感できるんです。
つまり、なんていうか、私ははっきりできないんです。こういった問題に。
2009-02-17 火 01:37:07 /
URL /石田麦 /
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人生はリセットできない
すみません。太宰はよくわからないのでスルーさせてください。
吉行にいたっては名前を聞いた事あるくらいです。
あの時代の人では西脇順三郎が好きです。
閑話休題。
要は私は石田麦さんや多くのブロガーが感じているような
言葉を借りれば「細工を弄して」いる(計略通りだ)という余裕を
このエピソードの早苗さんから全く感じられなかったのです。
躾云々は彼女の能動的、恣意的施策ではなく、ほとんど受動的緊急避難だったと想像できるのです。
そのための演出的な仕掛けは幾つも散見できたけど、でもそう感じる私は多分少数派でしょうね。
これが彼女を擁護してみる気になった最大の動機です。
このエピソードは多少のあざとさはあったとしても、
死者と決別し、生者と向き合ったと言う点でなかなか良かったと思います。
ネタバレ云々は長くなってしまうのでやはりここではやめておきましょう。
一言で言うならば
「人生はやり直せるけど、リセット(なかったことに)は出来ねーぞ!」
ということです。
2009-02-18 水 19:49:32 /URL /昼下がりのジョージ /
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>昼下がりのジョージさん
どうも。
いえ、私も早苗さんが意識的、能動的に今回の計略を仕込んだとは思いませんよ。
彼女のような人がそういった細工を弄するとはとうてい思えないし、そういった性格でもないでしょう。
それじゃ私はいったい何をいいたいのかと思われるのでしょうが、私は早苗さんのような人にさえ今回のようなふるまいをさせ、汐をやむなしとはいえ重圧をかけた、「家族愛」といったものに対して、少し疑義を挟むのですよ。
早苗さんが一方的に悪いとは思いません。しかし早苗さんを動かした「家族愛」といった無形のものに対しては、私は容易に心を許す気にはなれないのです。
「人生はやり直せるけど、リセット(なかったことに)は出来ねーぞ!」というのは、その通りですね。
リセットができないというのも含めて、どこか人生は運命なのかもしれません。
2009-02-18 水 21:41:54 /
URL /石田麦 /
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愛も色々
ん~、何か禅問答のようなご返答ですね。
正直な感想を言いますと石田麦さんは「家族愛」というものを逆に偏重されているような気がします。
人によっては義務的だったり、または自動的だったり様々で、また「家族愛」が深いから良い、浅いからダメというものでもなく、ただそこに普遍的に存在するだけのものだと思います。
確かに『クラナド』っていうストーリーが「家族愛」をテーマにしているのは間違いないですが。
まあ、感覚的な部分には非常に良く理解できます。
『愛』と言う感情は数多の種類が存在し(「恋愛」「友愛」「物欲愛」etc.,)、人はそれぞれに優先順位を付けていて、
ものによっては完全否定したい愛も確かに存在しますしね。
2009-02-19 木 00:48:53 /URL /昼下がりのジョージ /
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>昼下がりのジョージさん
どうも。
ええ、仰られるとおり、私は家族愛を偏重しているのでしょう。というのも、私は「ただそこに普遍的に存在するだけの」家族愛が、なぜこれほどの権力装置として機能するのかというところに、おどろきを感ぜざるをえないからです。凡庸な家族愛、もっといえば母性というものは、恐ろしいものなのじゃないか。人を生かせも死なせもする。こわいものなのじゃないか。そして「CLANNAD」という作品も、今の私は、恐ろしく思うんですよ。その家族愛の表現の物語は、グロテスクなんじゃないか、と。
2009-02-19 木 19:39:12 /
URL /石田麦 /
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ありがとうございました
ああ、そういう事ですか、理屈では何となく分かってきました。
また、経験なり思想なりがベースとなり自身の感性に組み込まれて受け入れがたい何かが生じる感覚は十分理解できます。
私にとってはアニメ作品でいえば「図書館戦争」がそれに当たります。(普通は出来不出来、好き嫌いで終わる)
最初、押しつけの愛が子供を苦しめるという意味でとりましたが、それが誤解である事は分かりました。
前回の私のレスはちょっと余分でしたね。スミマセンでした。
その他の考察も興味深く読まさせていただいております。(『ひとひら』とか『とらドラ!』とか)
今後ともご自愛ください。
2009-02-20 金 00:14:52 /URL /昼下がりのジョージ /
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>昼下がりのジョージさん
どうも。
いえ、こちらこそ有益な対話をさせていただきました。
他者と意見を交換することによって自分の知覚しない心理が見えてくるということがあります。こういうことできるのがブログの魅力かな。
ありがとうございました。
2009-02-20 金 15:08:05 /
URL /石田麦 /
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第18話 「大地の果て」
そ~云えば、
Key氏の作品って奇跡って云うのもテーマだったと思うのですが、
ひよっとして、光の玉が集まって...
汐を出産したと同時に渚は命を失った。その後朋也は、朝起きて仕事に行き帰ってきたら寝るだけという、目的のない惰性だけの生活を贈っていた。現実から背をむけ、仕事だけに没頭して他の何も省みず休まず働いた。仕方なく休んだ日には、渚の居ない世界を思い出してしま...
[関連リンク]http://www.tbs.co.jp/clannad/第18回 大地の果て汐と二人だけの旅行それは親子としての初めての旅二人は一体どこへ向かうことになるのでしょうか?汐の遊び。電車に乗った二人そ...
今日は暖かくなるらしいけど・・・。CLANNADAFTERSTORY4初回限定版早速感想。泣いた。アニメで久しぶりに泣いた。汐と朋也がお花畑で抱き合う場面はなんとか持ちこたえたから、大丈夫だろうと思ったけど、帰りの電車で渚の話をする朋也を見て・・・。原作やっているから話...
CLANNAD ~AFTER STORY~
第18話 『大地の果て』 感想
先週の比じゃない。
つきなみだがハンカチのご用意を
-キャスト-
...
汐ちゃんなんていい子・°・(ノД`)・°・
話のつなげ方が絶妙でしたね。
汐ちゃん誕生からもう5年、ということは
幼稚園に行く年齢。
未だに距離がある朋也と汐ちゃん。
早苗さんと秋生さんは春までに何とかしないといけないと思ったんでしょうね。
あそんで...
今回のお話がここまで重要なものだったとは思いませんでした汐との旅行前回は朋也の汐を見る目つきが怖くて不安だったんですがなんやかんやいいつつぎこちないながらも親子っぽくなっていく2人が良い感じでしたねまぁでもママもことを知りたいという汐の言葉に表情が険し...