最近読んだ本
2017/07/13/Thu
最近は、私としては非常に珍しいことに物理学関連の本を読んでいる。といっても、専門書に当たる能力も時間もないから、一般向けの解説書しか見ていない。なぜ物理学に興味を持ったのかと聞かれたら、それも私の個人的な文学研究に関連があるのだが、それは、なんていうか、つまり、私はécritureにおける想起や時間意識、意識の流れの問題をここしばらく考えていて、言語学、特にバンヴェニストや、哲学でいえばマクダガートを読んでいて、で、その延長線上で、物理学にも手を出してみたというわけだ。いや、ふだんまったく触れていない分野だったので、かなりおもしろく読んでいるし、何冊か高い本を買い込んでしまった。しかし、現時点での印象をいうと、物理学を勉強しても特に文学研究に役立ちそうなものはなさそう。いや、まだわからない。
フランスにおける自伝研究の古典といっていいPhilippe Lejeuneの『自伝契約』だけれど、Lejeuneは『自伝契約2』なるものも書いている。内容には特に触れないけれど、ルジュヌは自分は長い文章を書くのは苦手で、出版するのは全部、断章の寄せ集め、パッチワークだと述べている。いわれてみればたしかにそのとおりで、『自伝契約』にしてからがそうだ。ここらへん、文筆の才能の型の表れという気がして少しおもしろい。
マリオ・リヴィオ『偉大なる失敗―天才科学者たちはどう間違えたか』
Philippe Lejeune, Signes de vie. Le pacte autobiographique 2.
フランスにおける自伝研究の古典といっていいPhilippe Lejeuneの『自伝契約』だけれど、Lejeuneは『自伝契約2』なるものも書いている。内容には特に触れないけれど、ルジュヌは自分は長い文章を書くのは苦手で、出版するのは全部、断章の寄せ集め、パッチワークだと述べている。いわれてみればたしかにそのとおりで、『自伝契約』にしてからがそうだ。ここらへん、文筆の才能の型の表れという気がして少しおもしろい。
マリオ・リヴィオ『偉大なる失敗―天才科学者たちはどう間違えたか』
Philippe Lejeune, Signes de vie. Le pacte autobiographique 2.