ダ・カーポの三角関係はあれはあれで美しいものでないかな
2008/01/12/Sat
利口系無重力blog@北大さん
「無印ダ・カーポの話。かんたんにまとめると男とヒロイン二人のどろどろの三角関係で、ヒロイン二人がさいご仲直りするのは茶番じゃない?なんて中谷さん吼えてらっしゃるけど。あれは、私はだまって音夢をゆるすさくらのあきらめがあの作品の結論だと思う。さくらが自分の嫉妬っていう悪意の感情に気がついて、それをとことん突きつけられて、でもさいごその感情に屈してしまうところが彼女の美しさだと思う。なんていうのかな、けっきょく本音のところではごまかしっていってもそのとおりなのだけど、でもそのごまかしができるところ、あきらめてなあなあで和解しちゃうところに、さくらの強さというのがあったって私は思う。そこであきらめきれなくて、相手を刺し殺しちゃうなんて、そんなことできなかったさくらを私はとても好ましく思う。」
「自分のなかにある醜い感情を直視させられるということがあの作品の肝心なところではあったかしらね。本人にはどうしようもない強い恋心がその発端ではあったけれど、しかしそこに潜むエゴイズムとどう対するか、その答えのひとつがさくらのあの態度ではあったかしら。」
「悪意を克服したいなんて、人間そんなうまくできてないのかなって思う。受け入れるほか、ないのかな。たぶんさいごのさくらと音夢の和解を欺瞞だなって思うのは、それって心の底から相手を許してるわけないじゃんって気づいちゃうからだよね。とくに恋愛の場合は、相手をゆるすなんて欺瞞以外の何ものにも思えないというのはわかるかも。‥でもたぶん思うのは、もしさくらが音夢と純一をゆるし認めたなら、彼女はきっともうその二人への思いすら失くしてしまうのでないかなって。大切な人たち、彼らに抱いた自分の真剣な思いすら、その恋愛に拠った自分の悪意を完全に昇華できてしまえたなら、いっしょに消えてしまうのでないかな。それは未練で、それはたぶん弱さであるけれど、完全にすぱって別れられなくて、かつて好きで今もたぶん好きな人への思いをかみ殺してその場を去った、さくらの姿は美しいなって私は思う。どかな、それさえ茶番という潔さは、私にはないです。殺し合いまで至らない弱さというのは、たしかにやさしさでもあるのだから。」
「未練というのはあるものかしらね。それをそう捨てられたらおそらく生きやすくはあるのでしょうけど、しかしそういう場当たりてきな生き方というのはなかなかできる人はいないものよ。そしてそういう生き方が利巧かといえば、おそらく利巧ではあるのでしょうね。しかし割り切れない人間性、それもまたひとつの美では、ないかしら。」
→スクイズ雑感 巧妙狡知な人間はそんないない
「無印ダ・カーポの話。かんたんにまとめると男とヒロイン二人のどろどろの三角関係で、ヒロイン二人がさいご仲直りするのは茶番じゃない?なんて中谷さん吼えてらっしゃるけど。あれは、私はだまって音夢をゆるすさくらのあきらめがあの作品の結論だと思う。さくらが自分の嫉妬っていう悪意の感情に気がついて、それをとことん突きつけられて、でもさいごその感情に屈してしまうところが彼女の美しさだと思う。なんていうのかな、けっきょく本音のところではごまかしっていってもそのとおりなのだけど、でもそのごまかしができるところ、あきらめてなあなあで和解しちゃうところに、さくらの強さというのがあったって私は思う。そこであきらめきれなくて、相手を刺し殺しちゃうなんて、そんなことできなかったさくらを私はとても好ましく思う。」
「自分のなかにある醜い感情を直視させられるということがあの作品の肝心なところではあったかしらね。本人にはどうしようもない強い恋心がその発端ではあったけれど、しかしそこに潜むエゴイズムとどう対するか、その答えのひとつがさくらのあの態度ではあったかしら。」
「悪意を克服したいなんて、人間そんなうまくできてないのかなって思う。受け入れるほか、ないのかな。たぶんさいごのさくらと音夢の和解を欺瞞だなって思うのは、それって心の底から相手を許してるわけないじゃんって気づいちゃうからだよね。とくに恋愛の場合は、相手をゆるすなんて欺瞞以外の何ものにも思えないというのはわかるかも。‥でもたぶん思うのは、もしさくらが音夢と純一をゆるし認めたなら、彼女はきっともうその二人への思いすら失くしてしまうのでないかなって。大切な人たち、彼らに抱いた自分の真剣な思いすら、その恋愛に拠った自分の悪意を完全に昇華できてしまえたなら、いっしょに消えてしまうのでないかな。それは未練で、それはたぶん弱さであるけれど、完全にすぱって別れられなくて、かつて好きで今もたぶん好きな人への思いをかみ殺してその場を去った、さくらの姿は美しいなって私は思う。どかな、それさえ茶番という潔さは、私にはないです。殺し合いまで至らない弱さというのは、たしかにやさしさでもあるのだから。」
「未練というのはあるものかしらね。それをそう捨てられたらおそらく生きやすくはあるのでしょうけど、しかしそういう場当たりてきな生き方というのはなかなかできる人はいないものよ。そしてそういう生き方が利巧かといえば、おそらく利巧ではあるのでしょうね。しかし割り切れない人間性、それもまたひとつの美では、ないかしら。」
→スクイズ雑感 巧妙狡知な人間はそんないない